賭博黙示録リアルカイジ 第一話~出航~

ああ…それにしても金が欲しい…!

 

今でも覚えている。俺がその告知を知ったのは、麻雀ライター福地誠さんのブログ記事であった。

 

fukuchi.cocolog-nifty.com

 

なんだこれ…とうとう来やがったか…AbemaTVっ…!とても地上波では実現できない…悪魔的企画…!

 

 

億っ…億勝負…!マジかよ…カイジの鉄骨綱渡りですら2000万だぞっ…しかも命を張って…命を張ったリターンすらたったの2000万なのに、命を張らない無料の勝負で1億のリターンは破格っ…なんだこれ…ぬるすぎる…こんな落ちてる1億円の挑戦権、拾わない方がどうかしてる…!応募…応募するしかねえっ…!

 

俺はAbemaTVを運営してるサイバーエージェントの決算を見たことがある…AbemaTVの赤字が凄まじすぎて、真っ赤…!サイバーエージェントのお荷物っ…!つまりAbemaTV、いつ終了してもおかしくない…それだけに…Abemaも…賭けてきてる!莫大な製作費をかけて…一世一代の大勝負…!そしてこの企画がスベったら…もうつかむチャンスはないかもしれない…億という金を…!

 

というわけでさっそく応募することにした。まずはweb上の申し込みによる書類審査。それをパスした者が1次予選に招待される。むろんというか言うまでもなく、応募者は少ないにこしたことはない。だから…俺は…黙った…貝のように…沈黙っ…!見なかったことにした。見なかったことにして…その実、応募するっ…!俺は福地先生のように善人じゃねえ…ブクマもリツイートもしねえ…もう戦いは始まってるんだ…ただでさえ狭い門を…これ以上狭くしてどうする…?当然だっ…本気で億を掴むなら、この処置は当然…

 

書類審査は至ってシンプルだ。住所。氏名。年齢。性別。メールアドレス。そして…志望動機。そう、志望動機。審査するっていったらここ以外にないっ…。むしろ、ここで差がつく…!いかにテレビ映えする志望動機であるかが問われている…!多重債務者…!パチンカス…!ニート…!カイジの世界観を再現するなら、こういったクズ(失礼)が選ばれるだろう…それにひきかえ…俺は志望動機が弱い…定職についており、ギャンブル中毒なわけでも多重債務もあるわけでもなく…こんな奴がエスポワールにいるわけもなく…畢竟…今回の億を掴む勝負に呼ばれると思えない…

 

いやっ…望みはまだ捨てていない…

 

俺はあることに気付いた…

 

この志望動機の入力欄…

 

たった一行の入力欄だけど…

 

無いのだ…

 

字数制限が…

 

つまり…無限…!

 

この志望動機、文字数制限なく無限に書ける…!

 

ククク…これに気付いた応募者はどれだけいるか…一見して一行しかない入力欄なら、みなさらっと一言二言で志望動機を入力するだろう…しかし…しかし俺は当然…気づいている…!これはAbemaの仕掛けた罠…!ここっ…!ここに面白い志望動機を書けば…選ばれるっ…!

 

だから俺は…書いたっ…!1行の志望動機欄に…5000文字…!圧倒的狂気の沙汰…!5000文字の志望動機、その内容は…とにかく…”働きたくない”アピール…!働きたくない…!働かず…大好きなインターネットに気ままな文章を書くだけで一生暮らしたい…!1億を手にしたら…買う…!軽井沢に…別荘…!そして…二拠点生活…!東京と長野を…往復しながら生活…!これにより…得られるっ…!イケダハヤトを超えるポジション…!田舎暮らしと都会生活の良いとこどりっ…!この生活なら…可能になるっ…まだ東京で消耗してるの?と煽りつつ…返す刀で…まだ田舎で消耗してるの?と煽る…まさに…無敵…!鉄壁の布陣っ…!働きたくないっ…!俺は働きたくない…働きたくないでござる…まさに正真正銘のクズ…!俺に送らせろ…二拠点生活…!導いてくれ…Abema…!

 

そこに…リアルカイジ運営より…衝撃的な知らせが発表される…

 

 

ぐっ…そうきたか…。俺だけじゃねえ…みんな同じこと考えてるので…拡散しないのだ…リアルカイジGPの情報が…!一世一代の勝負を張ってるAbemaにしてみれば…番組情報が拡散しなければ視聴率も見込めず…こける…企画が…!ならRT上位100名を優遇し特別措置をとる…運営が唐突にこんな措置を発表してもなんら不思議じゃねえっ…!ぐっ…やられたっ…!俺も…RT上位100名を狙うか…いやっ、これ…伝えきれないっ…!俺の5000字戦略…140字に収まり切れない…!なら…やるだけ損…無駄にライバルを増やしたくない…

 

行ける…

 

俺なら、行ける…

 

俺は”理”を積み上げてきたっ…!

 

カイジの根底に流れるテーマ、それは勝負は運否天賦ではなく、理を用いれば必勝であるということ…!なによりも大事なのは…その理に気づけるか…そう、”気づき”こそが最も大事であるということ…!

 

俺は気づいたぞっ…!志望動機に字数制限がないことに…!なら…それに言及し…俺が”蛇”であることをアピールすれば…通るっ…!この書類審査っ…間違いなくっ…!頼むっ…Abema…俺を祝福しろっ…!!!!

 

(続く)

 

 

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4月15日(日)22:00よりAbemaTVにて放送の「リアルカイジGP」に筆者も参加しています。番組を盛り上げるために、俺自身の回顧録を書いていくことにしました。よろしかったらぜひ番組もご覧ください!

 

special-kaiji.abema.tv

場所取り不要の立ち飲みスタイルで花見は可能か

花見は好きだけど混雑は嫌いだ。

 

筆者は東京の下町に住んでおり、花見シーズンの名所といえばこのあたりだと上野公園か隅田公園ということになる。しかしどちらもこの時期は混んでおり、とくに上野公園は交通の便もよく都内有数の花見スポットで知られ多くの花見客が訪れる。

 

もちろん、それはとても良いことだ。しかしそこにはつねに問題がつきまとう。それは花見の場所取り問題だ。

 

特に大企業の花見だと、朝から新入社員が広大な範囲の場所を押さえ、参加者が到着するまで無駄にその場所が使えない、ということになる。その新入社員も重役のご機嫌をそこねないよう、会場の中でも最も花がよく見える絶景スポットを押さえようとする。そうなると、彼らが場所をとっている間、他の客はそこで花見ができない、というのが非常にもったいなく感じてしまう。巨大資本の人海戦術により一般客にしわ寄せする花見にはたして風雅というものがあるのか、それこそ江戸っ子に言われば「粋じゃないよね」という話である。

 

いや、彼らが花見をしたい気持ちも分かるのだ。野外で桜を眺めながら飲み食いするのは最高だし、新入社員とベテランや重役が無礼講で親睦を深める場も必要だろう。筆者が問題にしているのは場所取りだ。ならば、場所取り不要の花見を提案したい。そう、立ち飲みスタイルによる花見である。

 

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これはハイドレーションという商品だ。タンクに水を入れチューブから水を吸えるようになっている。これを背負ったりバックパックに入れておくことで、登山やマラソンをするときにハンズフリーで水分補給が可能となる代物である。

 

このタンクに酒を入れれば当然ハンズフリーで酒を飲むのが可能となる。

 

いや、これはなにも筆者のアイデアではない。この技は、筆者が富士山に登った時に一緒だった登山上級者から教えていただいたことである。この技法がどこまで一般的なのか分からないが、少なくともその方はハイドレーションにワインを入れて、登山の休憩時にハイドレーションでワインを吸っていた。筆者はそれを見てとても便利だなと思った記憶がある。

 

ならば、平地の花見でハイドレーションを使えば立ち飲みスタイルの花見酒が可能なのではないか。さっそく御徒町モンベルでハイドレーションを購入し、今年はこれで立ち飲みスタイル花見酒をしよう、と思い立った次第である。

 

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ハイドレーションもいろいろな商品があるけれど、筆者が買ったのは2Lタンクである。これならば氷結1Lなど余裕で入る。

 

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つまみはどうするか。いろいろ考えたが、立ちながら食べるには串が最も効率がよいとの結論に至った。つまり、おそ松くんに登場するチビ太スタイルである。チビ太を見よ。おでんの串をもちながら歩いたり走ったり、果てはおそ松たちとケンカまでこなしているではないか!

 

なので、串刺しにできるおかずをお弁当に詰め、適宜補充しながら串に刺して食べることにした。

 

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まずは一の重、コンビニの冷凍からあげである。

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唐揚げはコンビニでも串スタイルで提供されているので、まったく違和感がない。

 

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続いて二の重。コンビニの冷凍シュウマイである。

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これも串スタイルで提供するコンビニがある。弁当に詰める段階で事前に醤油をたらしておくといいだろう。

 

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三の重、コンビニのチルドおでんである。

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串おでん、もはや説明不要の正統チビ太スタイルである。むしろなぜ皆がおでんを串で食べないのかが不思議でならない。正統チビ太スタイルのおでん食を広めるためにも一役買いたい。

 

準備は万端である。いざ、上野公園へ!

 

 

 

 

…ところが、そこでは取材班が予想だにしなかった事態が待ち受けていた。

 

 

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散っているのである。桜が。上野の桜が完全に散っているのである。葉桜どころのレベルではない。これは…これはただの葉だ。言っておくがこの写真を撮ったのは4月1日である。例年なら普通に花見ができる時期である。なのに今年はこんな状況だ。どうして…どうしてこんな不合理なことが…俺の身にばかり…

 

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とりあえず桜の木の前で通行人にお願いし写真を撮ってもらった。そう、完全に一人で立ち飲みスタイルの花見に行ったのである。このことも、後に取材班(一人だけど)を苦しめることになる…。

 

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同じ上野公園でも日陰のほうはまだかろうじて桜の残骸が残っているのでそちらで立ち飲みスタイル花見を行うことにした。

 

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スッとでてくるハイドレーションのホース。これで桜を愛でながら酒を飲んでいるところを写真に撮ってもらうことにする。

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…ただの公園で酒を飲む不審者、といった絵ヅラになってしまった。いや、本当はこの写真の右手にちょっと桜の残骸があったのである。だからもう少し右手にパンしてもらえばちょっとは花見の風情を感じられる写真が撮れたのである。しかし…しかし…ただでさえ道行く人に頭を下げて不審者たる俺の写真を撮ってもらっているのに、これ以上の…これ以上の撮影指導は…できない…人として…

 

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唐揚げ棒を食べながら花見をしている筆者である。花見の風情は若干つたわるが、こんどは下半身が見きれており俺が他の観光客の中に埋没するような写真になってしまった。広角レンズなのでもうちょっと寄りで下からあおるようにとれば桜も俺も強調する写真になったのに…いや、人として…人として、これ以上の撮影指導はできない…

 

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最終兵器おでんである。せめてこの写真だけはキメてほしい…

 

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が、ダメっ…!右手に桜の残骸があったのでそれをバックにとってもらいたかったのだが、これだと単に路上の障害物をみながらおでんを食べてる不審者である。もっと撮影者が左に移動して撮って欲しかった。しかし…しかし…これ以上の撮影指導は…人道にもとる…!

 

 

 

というわけで、立ち飲みスタイルの花見をするにはしたが、絵的に映える写真にはならなかった。もちろん一人で立ち飲みスタイルの花見は可能である。しかし、これではブログの記事にはならない…だって…だって…写真を見る限り…俺、花見をしてませんよねこれ?

 

なので友人に協力してもらい、翌週の日曜日に一緒に花見をする約束をとりつけた。しかし4月1日の時点でこの状況なので、翌週ともなればもう桜の花見は不可能だ。なにか…なにか他の花で、花見というわけにはいかないか…この時期に咲いてる花で、花見…

 

タンポポ

 

そうだ、タンポポを見ながら花見をすればいいのではないか。なにもこれは無理筋で言ってるのではない。なぜなら、花札を見れば自明であるが、9月の菊の役札には酒の杯が描かれている。菊を愛でながら菊酒を飲む…この菊見酒もなかなか風流な行為だと言える。

 

なら…なら…菊にそっくりタンポポを眺めながら酒を飲んでも風流でしょうが!?

 

だいたい刺身の盛り合わせに載っている食用菊をみんなタンポポタンポポ言ってるじゃないか。つまりよほど詳しくない限り菊とタンポポの見分けは不可能なのだ。ならばタンポポを愛でながら菊見酒を行ってもなんら問題がない。タンポポはいわばジェネリック菊見酒なのだ。

 

さっそく取材班は次の日曜日にタンポポを見に行くことにした。

 

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前回ハイドレーションにチューハイを入れていったが、炭酸でタンクがパンパンになって負荷がかかる、という学びを得たので、今回はコンビニの安ワインを入れることにした。こうやって場数を踏むことによりハイドレーション酒飲みのノウハウが蓄積されていく。

 

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やってきたのは荒川河川敷である。

 

 

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タンポポだ。

 

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酒を飲みながら、愛でる。

 

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荒川だ。

 

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酒を飲みながら、愛でる。

 

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タンポポの群生地だ。

 

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酒を飲みながら、愛でる。

 

というか、こんだけ人がいないのなら、そもそもタンポポ花見ではわざわざ立ち飲みスタイルで臨む必要はなかった、というのが取材班の出した結論である。ちょう穴場スポットなので桜の花見に疲れた人は河川敷でタンポポ花見をやろう。

 

以上です。

崎陽軒のシウマイ弁当プロ志望届

俺が小学生中学生のころ、つまりかれこれ20年以上前のはなしであるが、当時はTVゲームが大好きだったので、一生ゲームばかりやって生きていけないかな…なんてことを漠然と思っていた。もちろん当時は「TVゲームのプロ」という概念は無かった。いや、高橋名人や橋本名人などはいたけれど、彼らは言ってしまえばメーカーに所属する広報であり、ゴルフで例えるならゴルフクラブメーカーの広報が名人を名乗ってはいるけれど、純粋にゴルフだけで生活してるプロプレーヤーは当時存在していなかった。というよりも、純粋にゲームだけで生活できるプロが職業として成立する、なんて当時は想像できなかったはずだ。

 

ところがどうだ。現在はEスポーツの隆盛で、ゲームのプレイだけで生活しているゲームのプロなんていう人がざらにいるではないか。

 

いや、ゲームのプロだけではない。レゴの組み立てだけで生計を立てるプロ、プラレールの組み立てだけで生計を立てるプロ…。自分が小さい頃は想像もつかなかった専業プロがここ数年で誕生している。良い世の中になったと思う。

 

そして、弁当の食べ方についても同じことが言える。つまり、弁当の食べ方なんてもので収入を得るプロが、この世にはいるのである!考えられただろうか?この状況を!!

 

弁当の食べ方のプロ第一号は誰か?俺の認識では、泉昌之の「夜行」というマンガ作品がプロ第一号である。泉昌之は原作・久住昌之、作画・泉晴紀、によるマンガユニットであり、夜行はそのデビュー作でもある。夜行は「かっこいいスキヤキ」という単行本に収録されている。

 

かっこいいスキヤキ (扶桑社文庫)

 

「夜行」の内容を説明すると、夜行列車にのったおっさんが幕の内弁当を食べる話、ただそれだけである。ただそれだけであるが、これが読んでみると抱腹絶倒なほど面白いのだ。信じられるか?弁当の食べ方、ただそれで人を笑わすことができるだなんて!それまでのマンガの物語といえば、ヒーローが世界を救う、とか、不思議なキャラクターとともに過ごす日常生活、みたいなのが王道だったのだ。それがどうだ。「夜行」は普通のおっさんが弁当を食べているだけである。地味だ。しかしそんな地味なおっさんが弁当の食べ方で苦悩する、ただそれだけでエンターテイメントになりうるんだという発見。仮に「世界三大その手があったか」というものがあるとしたら、コロンブスの卵に並んで余裕でランクインするぐらい画期的な発見がこの夜行という作品である。

 

夜行の登場により、弁当の食べ方というものがエンターテイメントになりうることが証明された。そして、例えるなら野茂英雄の後を追って日本人メジャーリーガーが次々誕生したように、弁当の食べ方という芸もいたるところで見かけるようになった。いわばプロも増えつつあるということだ。みなそれぞれの芸を競い合い、立派にエンターテイメントとして成立している。そういう時代である。

 

そして今も弁当の食べ方でプロ・素人いりみだれて喧々諤々の議論が盛り上がってる界隈があるのである。とはいってもその議論が盛り上がるためには(1)その弁当が抜群の知名度をほこり(2)なおかつ品目がバラエティゆたかで食べ方を検討する価値が大いにある(3)なによりその弁当が愛されているので議論してる奴らみな”ガチ勢”である、という三要件を満たす必要がある。もうお分かりかと思うが、その弁当とは崎陽軒シウマイ弁当である。

 

ためしに「シウマイ弁当 食べ方」でぐぐってみるといい。出るわ出るわ、シウマイ弁当食べ方芸の山!

 

おわかりいただけただろうか。もはやシウマイ弁当の食べ方は、進撃の巨人黒子のバスケに比肩しうるコミケの一ジャンルになっているという事実に…。

 

 シウマイ弁当に持ち込みのふりかけを使用する、という奇襲作戦。つまりそれほど議論が進みすぎ、シウマイ弁当の食べ方界隈も正直かなり”煮詰まってる”んだ、と思っていただきたい。

 

ところでかくいう自分も横浜生まれ横浜育ち、当然のようにシウマイ弁当を愛し育ったのでシウマイ弁当に一家言ないはずがない。つまりある。めっちゃある。シウマイ弁当について語りたいことが山ほどある。とはいえ俺は素人だ。それでもいい。素人でもシウマイ弁当を語っていい。しかし…しかし…俺はシウマイ弁当のプロになりたいんだっ…!

 

 

 

 

 

前置きが長くなってしまったが、要するに本エントリは崎陽軒シウマイ弁当のプロを目指すべく書かれた文章である。つまり崎陽軒シウマイ弁当プロ志望届シウマイ弁当の食べ方を語るだけで生活するのが俺の最終目標です、よろしくお願いします。

 

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シウマイ弁当スーパードライ350mlである。家でも新幹線でも同じ食べ方ができるよう、今回はこの組み合わせでいこうと思う。

 

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開封の儀です。

 

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あら、おいしそう。いいですね。右も左もいいですね。どれから箸をつけようか迷っちゃいます。…と言いたいところだけど、俺に言わせれば甘い。なにか忘れてませんか?

 

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そう、弁当のフタにこびりついた米つぶ…!シウマイ弁当の食べ方を議論するなら、まずはシウマイ弁当のフタ問題から議論を出発する必要がありませんか?これはカップアイスのふたにこびりついたアイスクリームを舐めるのかスルーするのか問題と全く一緒である。なぜなら、シウマイ弁当は間違いなくフタに米つぶがひっついてしまう構造上の問題をかかえているからだ。もち米にも似た粘着力の高さに、静止摩擦係数の高そうな木のフタ。つまり、このくっつきは必然であり宿命。ここをどうするかの議論は避けて通れない。食べるべきなのか。それとも、そんなはしたない真似はできないので見てみぬふりをするのか…?あなたならどうする?

 

ではここで正解の発表です。

 

正解は、ふたについた米も当然食べる、です。しかも箸をつかわずに直接フタをなめるようにして米つぶを食べるのが正しい作法である、と筆者は力強く断言します。

 

え?下品だ?はっ、そういうことを言い出す奴は物事の本質をなにもわかっちゃいない。そんなことを言い出したら、蕎麦やラーメンをすすって食べるのは下品だし、お茶碗のような食器に口をつけて食事をするのは下品なのだ。でも、日本の文化は、麺をすすって食べ、食器に口をつけて食べるのは美徳だ、という文化である。なぜか。日本はすべての物事に対して五感をフル回転して楽しむ文化であるからだ。先の例でいうならば、麺類を食べるとは味覚や嗅覚だけでなくすする音、つまり聴覚でも楽しんでいるし、食器は視覚や手の触覚だけでなく、口の触覚でも楽しむ、というわけだ。つまり、海外では多くの地域で不作法とされるものが、日本では正しい作法とされる。

 

なら…なら…フタを舐めて米つぶを食べるのも立派な作法でしょうが??

 

みろ、シウマイ弁当のフタを!木を薄く削ってつくられた、経木折のフタだ。今時ないぜ、こんな弁当。今半の弁当だって発泡トレーだっつうのに、崎陽軒シウマイ弁当は昔と変わらぬ経木折…せっかくのこの木の香りを体感せずしてどうする?そう、みなも実際にこそいで食べてみるがいい…鼻腔に広がる木の香り…森の香り…そして噛みしめる米つぶ…まるでピクニックで行った山の上で弁当を食べているかのような爽快感すら感じる…。最高なのでは?

 

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ごはんのつぶ、完食!美味しかった…。これを下品の一言で切り捨てる奴は人生の楽しみ方を分かってない。ここは問答無用で「舐めるようにフタについた米つぶを食べる」を10点にします。フタの米つぶを箸で食べたら?んー、間違いじゃないけど7点しかあげられないな。うん。後で挽回しようね。

 

本来ならここで本稿を切り上げてもいい。それぐらい崎陽軒のフタ問題はクリティカルな指摘だったと言える。しかし、俺はプロなので、プロ志望なので、最後まで魅せる食べ方をしていきたいと思います。ご期待ください。

 

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改めて状況を報告したい。白米8個師団を筆頭に、シウマイ5個師団、から揚げ、玉子焼き、かまぼこ、焼き魚、筍煮、杏子煮、昆布に紅ショウガ、小梅、というおなじみのラインナップである。どう攻めるか。

 

まずは作戦の大枠、グランドデザインを決めていきたい。つまり、杏子をどのように考えるか、ということである。

 

ご存知無い方の方に説明しておくと、シウマイ弁当の食べ方にはざっくり分けて大きく2つの考え方がある。杏子を一番最初に食べて「杏子を無かったことにする」という考え方と、杏子を一番最後に食べて「杏子は食後のデザートである」という考え方である。

 

最新の学説によると、「杏子はデザートではない」という考え方が主流である。将棋の戦法と同じで、杏子をどうとらえるかにも流行り廃りというものがあるのだ。最近は杏子を最初に食べるという流派が主流なんである。しかし、筆者は昔かたぎの男なので、かつて正統と言われた杏子デザート説、つまり杏子フィニッシュをキメたい。これは将棋の羽生さんと一緒で、俺はプロなので、プロ志望なので、杏子を先に食べる書き方もできるし、杏子フィニッシュに持っていく書き方もできる、つまり得意の戦法などなくすべてに対応できる自在型なのである。なので、あえて難しい方、つまり杏子フィニッシュルートを選択していきたい。

 

まず食後のデザートは決まった。あとは、作戦の方針である。やはりここはビールがあるので、ビールの肴としてシウマイ弁当のおかずをつまみ、次に米とおかずを食べ、そしてデザートをキメる、という流れで行きたい。奇をてらわず、あくまで正攻法で臨みたいと思う。

 

作戦の大枠は決めたので、今度は作戦の細部をきめていきたい。

 

よくあるパターンなのが、最初にビールの肴としておかずを消費しすぎて、後から白米のおかずが足りなくて泣きを見るパターンである。シウマイ弁当あるあるの筆頭といってもいいかもしれない。

 

今回それは避ける。避けていくために、あらかじめ兵力と火力に応じた作戦担当正面というのを決めていきたいと思う。

 

敵は白米8個師団である。これをどうやっつけていくか。ここで兵力の火力を確認しておきたい。火力とはなにか?つまりそのおかず一つでいくつの白米を屠れるのか、という指標である。たとえばシウマイ。シウマイ1個にたいして白米がいくついけるのか、いわばどれだけごはんがススム君なのか、ごはんの推進力はどのくらいか、ということである。筆者の個人的感覚であれば、シウマイ1個にたいし白米1killである。しかし焼き魚はどうか。焼き魚はかなりの殺傷力を誇っている。筆者の感覚で言わせてもらうと、焼き魚は3killである。つまり焼き魚1で白米3個師団にあたらせても十分に応戦できる。

 

このように、あらかじめ兵力と火力に応じ白米8個師団に対しおかず軍団をどう当たらせたらよいかを事前に決めておいたのが次の図である。

 

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作戦を説明する。白米8個師団に当たらせるのは、小梅(1kill)こんぶ(2kill)シウマイ2個師団(2kill)そして焼き魚(3kill)である。

 

となると、残りの兵力でスーパードライ350mlを担当する、ということになる。

 

めっちゃ分かりやすくないですかこれ?

 

まるで、赤壁の戦いのときに張飛趙雲関羽を先の先の先まで見越して伏兵として配置した諸葛孔明のようなエレガントな采配である。これで白米にあたらせるおかずが足りなくなるという後顧の憂いは完全に断った。あとは全兵力をビールに当たらせるだけである。

 

では実際にビールとおかずを食べていきたい。

 

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だいたいにおいて、まずは玉子焼きやかまぼこから食べるのが常套手段である。筆者もそれに異存はない。ちなみに筆者の個人的感覚だと玉子焼きとかまぼこは0.5killすらあやしい。醤油をかけてようやくギリ1killかな、ぐらいの感覚である。しかしビールのお供してはひじょうに具合がよい。まずとりあえず空腹を満たしてからのビール…という感じであり、いわばシウマイ弁当におけるお通し、つきだし、といった風情が玉子焼きとかまぼこにはある。

 

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ちなみに筆者の中での紅ショウガの位置づけはあくまで薬味である。たとえばから揚げにちょっと紅ショウガを載せて食べると油っぽさがなくなり美味しい…ということになる。いわば遊軍、補助火力である、というふうに考えたい。

 

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いやービールとシウマイ弁当、最高だな~

 

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みよ。ビールを飲みほした時点での戦況である。まさに計画通り。圧倒的ではないか、わが軍は。

 

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なんかすげえ食べにくそうな順番で食べてますけど、これ皆さんに担当正面を分かりやすく説明するために白米の上に載せてるだけであって、だからシウマイごはん→こんぶごはん→焼き魚ごはん→…のように食べるとこのような歯抜け状態になってしまうのである。ふだんの俺はこの作戦図を脳内に展開してますから、傍目には普通に食べてますからね俺…

 

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焼き魚を3口に分けて食べたが、最後の一口は紅ショウガを載せて食べる…。このようにプロ野球のピッチングよろしく緩急をつけるのが大事である。

 

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予定どおりの兵力をもって白米8個師団、消滅である。ということは…ということは…おおお、ついにきてしまうのかーッ!?

 

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決まったーッ!杏子フィニッシュ、見事に決まった!

 

どうですか。これがロジカルなシウマイ弁当の食べ方というものである。皆さんも参考にしてほしい。どうか素敵なシウマイ弁当ライフを!

 

以上です。

コンビニ蕎麦にコンビニの揚げ物ぜんぶのせる

この歳になってようやくコロッケそばの良さが分かるようになった。以前は食べてみようと思わなかったし、そもそも「温かいそば」すら食べる発想がなかった。うどんなら、うどんなら冷たくても温かくても両方イケるけど、そばだけは、そばだけはどうしても「冷たいざるそばこそ至高」であり、それを温かいつゆの中にぶちこむなどとんでもない、という思想の持主だった。温かいそばを食べるのは年一回、年越しそばだけ。それは縁起物だから温かくして食べてるんだ、普通は冷たくして食べるんだ、という感覚であった。

 

これは己の育った環境にもよるのかもしれない。

 

関西の友人に会いに京都に行ったとき、夕食に蕎麦屋に連れて行ってもらった。その時に「関東の人にこっちの蕎麦屋を紹介するの、けっこう緊張するわ…」と言われ、なるほどそういうものなのか、と軽いカルチャーショックをうけ、なんだか面白かった。

 

言われてみれば、俺だって北海道の人に東京の寿司屋を紹介するのはものすごく緊張するし、もし香川の友人がいたら、東京のうどん屋なんか畏れ多すぎて連れて行けないと思う。

 

蕎麦に格別の思い入れがあるわけじゃないんだけど、でも関東のそば文化と関西のそば文化は明らかに違うものだ。例えば「にしんそば」なんて食べる関東の人なんて滅多にいないので三十代ぐらいまで食べたことなかった。なかったけど、いざ京都で食べたにしんそばはとても美味しかった。今までなんでこの味を知らなかったんだろう。と新しい世界に出会えた気になった。

 

俺とコロッケそばの出会いは、その延長線上にある。数年前、意を決し駅のスタンドで生れて初めてコロッケそばを頼んでみた。今まで俺はなんと偏見に満ちていたのだ…となるくらいとても美味しかった。

 

以前は己の中に山岡士郎がいたのかもしれない。「そんなものは、蕎麦じゃないですよ」みたいなことを脳内で囁いていた。歳を重ねた今なら分かる。そうやって断言できるのは、蕎麦について無知であるからに他ならない。今は違う。それも蕎麦である、というのが最近ようやくわかってきた。いわば己の中で蕎麦の概念が拡張されたのである。

 

 

halleluja.jp


分かる。揚げ物につゆをしみこませて食べると美味い。たぬきそば、天ぷらそば、かきあげそばが美味いのだから、コロッケそばが美味いのも道理ではないか…。

 

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コロッケそばにまつわる言説は、たいてい駅のスタンドの話である。しかし俺は最近気が付いたのだ。コンビニでもコロッケそばが食えるな、ということに。

 

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セブンイレブンかき揚げそばに、同じくセブンイレブンのコロッケを載せたものである。そう、コンビニで売ってる揚げ物は全てがそばにトッピング可能なのである。ならばコロッケ以上にそばと相性のいい組み合わせもあるのではないだろうか、という境地にいたり、調査することにした。

 

 

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 フライドポテトそばである。

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理論上だとコロッケそばと同じ美味しさになるはずだったけれど、コロッケそばほど洗練された味ではなかった。衣があるかどうかどうかがつゆとのハーモニーを語るうえで重要なのかもしれない。

 

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山菜からあげそばである。これは普通に美味しい。なんならその辺の駅のスタンドで普通にメニューにありそうではないか。

 

 

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 春巻きたぬきそばである。日によってベースとなるコンビニそばの種類が違うが、その日によってコンビニにおいてあるラインナップが違うのでお許しいただきたい。

 

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これは美味かった。春巻きのあんがそばと奏でるマリアージュ、まるであんかけラーメンのようではないか。春巻きとそば、コロッケそばに勝るとも劣らない組み合わせなのではないだろうか。

 

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アメリカンドッグたぬきそば。犬とたぬきの個性のぶつかり合いである。

 

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理論値だとこれも美味くなる予定だったのだけど、あまり美味しいと思わなかった。そもそも俺がアメリカンドッグをあまり好きではないせいなのかもしれないが…。アメリカンドッグが美味しい店があったら教えてください。

 

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カニクリームコロッケたぬきそば。コロッケそばと変わらぬビジュアルに期待が高まる。

 

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カニクリームとめんつゆが合うのか?という向きもあるだろうが、はっきり言って美味い。めんつゆを吸ったコロッケの美味さは異常。カニクリームコロッケとて例外ではない。

 

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豚まんかけそば。もはやお好み焼きをおかずにご飯を食べる関西人をばかにできない…。東京人はそばの上に豚まんを載せて食べます(意見には個人差があります)

 

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まんじゅうがめんつゆを吸う能力は桁外れであった。つゆを吸い過ぎて干上がってる様子がお分かりいただけるだろうか。めんつゆをパンパンに吸い上げた豚まん、ちょう美味い。優勝。

 

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セブンの味付けたまごかけそば。そう、揚げ物コーナーだけではなく、総菜コーナーの食品もトッピングできるのだ!でもこれやりだすと無限にできるのでこの辺にしときます。もちろん味付けたまごかけそばは美味かった。

 

とりあえず現段階の調査報告では春巻きか肉まんが個人的にはおすすめだ、という結論にいたった。そしてこれらは駅のスタンドでは絶対に食べれない。コンビニそばだからできる代物である。駅のスタンドだけでコロッケそばを語るのは片手落ちだ。ぜひ皆さんも一度コンビニそばの奥深い世界を堪能してほしい。

バランタイン魔法の七柱と文脈映えと魔法の七柱スーパーハイボール

またぐるなびで記事を書きました!有名なスコッチウイスキーバランタインのキーモルトをめぐる冒険についての物語です。未読の方がいらっしゃいましたら是非お読みください!とにかくすごく楽しい家飲み会でしたので、その雰囲気が少しでも伝われば幸いです。

 

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今回の企画、俺にはどうしても心残りが一つだけあったんですね。それは、スーパーハイボールをつくろうとして、やり忘れたことなんです。

 

スーパーハイボールとは何か。それは古谷三敏の『BARレモン・ハート』にて登場した、究極にスノッブな飲み方です。まずブレンデッドウィスキーのハイボールをつくる。そして、そのブレンデッドウィスキーの構成原酒のキーモルトになるウィスキーを薄い膜になるように注ぐ。以上です。

 

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実際に作ってみましょう。今回はバランタイン12年のハイボールにミルトンダフを合わせてみます。

 

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バランタインハイボールだけでも当然美味しいですが、ミルトンダフを加えると複雑な味になるというか、味わいの変化をダイレクトに感じれるので面白いです。

 

今回比較的特徴のないミルトンダフでやってみましたけど、これがスキャパのような甘いウィスキーやアードベッグのような極端にスモーキーなウィスキーでやるならまた全然違う印象になるでしょう。ぐるなびの企画でさんざん魔法の七柱を遊び倒したと思っていましたが、まだまだ楽しみ方はたくさんあるんですね。ウィスキーは奥深い。

 

これ、別にブレンデッドウィスキーのキーモルト(構成原酒)を使う必然性、まるでないと思うんですよ。でも、キーモルトを使うことがある種の物語性を帯びる、それは必然である、ということなんだと思います。

 

我々はふだん意識はせずとも多くの物語を消費しています。これについては以前書いた文章を引用します。

 

www.mizuhebi.com

 

例えばですね、同じワインを飲んでたとしても、「コンビニで買った480円のワインだよ」と聞かされて飲んだワインと、「今日という日を祝おうと思って買っておいた、あなたが生まれた年のワインだよ」と聞かされて飲んだワイン、どっちがより美味しく感じると思いますか。

 

美味しんぼの京極さんが生まれ故郷の四万十川の鮎を食べて「なんちゅうもんを食わせてくれたんや…」と感動し落涙するのと同じで、そこには京極さんの琴線に触れる文脈というものがあります。

 

そう、たとえ同じウィスキーを用いた場合でも、それがメインのブレンデッドウィスキーのキーモルトである、という物語を用意したか否かで飲み手の感じ方は大きく異なると思うんですよね。これ、インスタ映えと原理的に同じ概念だと思います。写真ではないけれど、文脈がめっちゃ映えてる。しいて言うのなら”文脈映え”してる。

 

この考え方は、村上隆さんの影響をかなり受けてます。現代美術は海外でなぜあんなに高額で取引されるのか、それは文脈ゲームにのっとっているからだ、と喝破したのが村上さんです。その現代美術という名のゲームのルールを理解した村上さんは、たちまちそのゲームでの勝者になった、というわけです。面白い本ですので機会ありましたらご一読ください。

 

 

 芸術起業論

 

インスタ映えはかなり一般化した概念になりましたが、究極的にはそもそも写真である必然性もないのです。行為が複雑な文脈の上に成り立ったものであるならば、それは面白いし、映える。

 

ウィスキーはけっこう物語がいろいろ用意されてるので、魔法の七柱に限らずともこういう文脈ゲームは楽しめると思います。ウィスキーは奥深い。皆さまもぜひウィスキーの物語に寄り添う文脈ゲーム、つまりウィスキーをめぐる冒険をお楽しみください。