その後どうなったのかというと、娘はカルタが弱くなった。
理由はハッキリしていて、ある日のカルタで娘のお手付きを俺が咎め、「お手付きをしたら札を取っちゃいけないの」と言って泣いて抵抗する娘から札を取り上げたからである。
その後、娘はひどくお手付きを怖がるようになり、その結果どうなったかというと、札をじっくり確認してからじゃないと取らなくなった、つまり遅くなった・弱くなったというわけだ。プロ野球で言うイップスのような症状になってる。
完全に俺の責任だ。もちろん俺だって好きでやったわけじゃなく、他のお友だちとカルタをやる場合を想定したらやはり「お手付き」の概念は知っておいた方がいいのではないか、という考えに基づいて教育としてやったわけなのだが、結果を見たら完全に俺が間違ってた。
そもそもちょっと前まで言葉すら喋れなかった娘がカルタで遊べるということすら立派なのだから、咎めるべきじゃなかった。3歳児とのキャッチボールで「4回外れたから四球!フォアボール!」と子どもを咎める親がいたとしたら誰がどう見たってやりすぎだと思うが、俺も同じ振る舞いをしていた訳である。
これは俺の育児で失敗した記録である。しかし、これから子育てをする方々に参考になればと思って書いた。
幸いにも、娘はカルタを嫌いになったわけではない。また娘とカルタで遊んで練習しよう。そして、いつの日か「例えお手付きで札を取られても、お手付きを恐れずに積極的に取りに行った方が札をたくさん取れる」ということに気づいて欲しいな、と願ってやまない。
それにしても「人にものを教える」って難しいわー…と思った。こっちも日々勉強だ。