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一人飯

blog.hatena.ne.jp

 

はてなブログには「お題」っていうのがあって、ついこないだまで「一人飯」というお題があったのだけど、書こう書こうと思ってるうちに仕事が忙しくて締め切り過ぎてしまった。でもこれは俺の得意分野だし、せっかくなので書く。

 

 

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世の中には読んでるだけで酒が飲みたくなる小説というのがあって、椎名誠の「新宿遊牧民」は間違いなく読んでるだけでビールが飲みたくなる小説だ。今、俺の中で椎名誠がアツい。中学生の頃はよく読んでいたが、高校生になってからはめっきり読まなくなった椎名誠。しかし、30台も半ばを過ぎたこの年になって自分の中で第二次椎名誠ブームが来てる。理由は二つある。ひとつはこの年になってアウトドアにハマったこと。ふたつめは、椎名さんぐらい適当な人生でもなんとかやっていける、ということに、疲れ切ったサラリーマンであるところの自分が物凄く勇気づけられるからだ…というと椎名さんに失礼だろうか。

 

まあでも新宿遊牧民がビールを飲みたくなる小説であることは間違いなくて、俺はドトールでコーヒーを飲みながら小説を読むのが好きなのだけど、新宿遊牧民に関していえば、これはとてもじゃないがドトールで読むのは耐えられない、ビール片手に飲みたいな…となる。とはいえ、家でビール片手に読む気がしない。なぜなら家にはソファとお布団があり、酒が入るとすぐにソファでごろごろしだし、気が付くと寝落ちしてしまうからだ。俺は酒は好きだがあまり強い方ではないので、ビール片手に小説を読むならある程度の緊張感が必要だ。そこで、外で一人でビールを飲む必要がある、という話になってくる。

 

ところで一人で酒を飲みながら本を読むにはどこがうってつけなのだろうか?バーは照明が暗いし居酒屋では騒がしすぎる。俺の中での最適解はファミレスである。家の最寄りのファミレスであるところのジョナサンで一人ビールを飲みながら新宿遊牧民を読む…というのは最高の贅沢ではあるまいか。

 

さて、行くべき店は決まりました。店に入りました。店員さんに席に通されました。はい、ここでどうするか。メニューを見ずに「とりあえず生(ビール)」と言うべきか。それはたしかに洗練された注文方法であると思う。ご注文がきまりましたらお呼びください、などというセリフすら言わせない、無駄なやり取りを一切排除した手練れの注文方法。一刻も早く酒が飲みたい、そのための最善手。悪くないと思う。むしろ、のっそりとメニューを見る行為などは緩手の極みである。

 

が、俺は30半ばのこじらせおじさんであるので、そううまくは事は運ばない。「とりあえず生(ビール)文化は、バレンタインデーと同じように、ビールメーカーのマーケティングのたまものだ」という話を聞いて以来、俺は最初の一杯に意地でもビールを飲まない…という面倒くさい誓いをたててしまった。それは「バレンタインデーなんて菓子メーカーの陰謀じゃねえか!」という負け惜しみの理屈が強固なものであるように、こじらせた面倒くさい中年男性の意地であり矜持であると理解してもらっていい。メーカーの都合に簡単に乗せられるほど、俺は甘い男じゃない…となる。面倒くさいでしょう。

なので、席に通されて店員さんが「ご注文が決まりましたら…」と言いかけたところでかぶせ気味に「注文いいですか?」と言う。メニューを開く。3秒だ。3秒で決める。メニューを開いてパッと目についたのはサングリア399円。食前酒としてふさわしいではないか。とりあえず、サングリア。ご注文は以上でよろしいですか?―――ッ!ちょっと待て!メニューの隅の方に、俺はとんでもない情報を書いてあるのを発見した。梅酒(499円)か焼酎(499円)を頼んだ人には、もれなくドリンクバーがついてくる――そして、ドリンクバーの飲み物でお好きに割ってお飲みください、とあった。なるほど合理的だ。梅酒を飲む時は大抵ロックだが無料でドリンクバーがついてくるのは魅力的だ。俺はサングリアをキャンセルし、梅酒に変更した。また面倒くさい人っぷりを発揮してしまった…。店員さんごめんなさい。

 

とりあえず最速で注文することに成功したので、俺はドリンクバーでアイスコーヒーを注いだ。酒を飲みに行って一杯目にアイスコーヒーを飲むことなんてある?ないでしょ?これは結果として素晴らしい判断だったのではないだろうか…と梅酒を待ちながら思うわけである。だってこれもともと本を読みたいがためにこの店に来てるわけだから。アイスコーヒーを片手に本を読む…(ここまでは普通だ)…からの梅酒!という急展開。なんというアクロバティックかつドラマティックな展開だろうか。とりあえず生(ビール)の人には悪いが、思考停止をしていては日常にドラマは生まれない。

 

さあ、店員さんが梅酒を持ってきました、ここですかさずツマミを注文する。ジョナサンのつまみは全品250円である。エクセレント。なにを頼むかはもう決まってる。肉味噌と豆腐のオーブン焼き。この注文を通す。少々お待ちください、と言って店員は去った。この肉味噌と豆腐のオーブン焼き、予想される味の旨さもさることながら、家でつくるとなると面倒くさいことも注文を後押しする要素となった。家で簡単に作れる料理は家で酒を飲む時につくればいいのだ。せっかくファミレスに来たのなら普段家じゃ食べられない料理にしよう、となる。

 

さて、ようやくきた待望の梅酒であるが、これは梅酒の小瓶とグラスがどんとおかれただけであり、ロックで飲みたいのならドリンクバーから氷を持ってこい、ということのようだった。上等である。下町には常連が我が物顔で店の冷蔵庫から勝手にビール瓶を持ってくる…というハードボイルドな世界があるが、ここジョナサンでも客が店の機械を勝手に使って好きに飲んでくれたまえ…というハードボイルドな世界が広がっていた。俺はグラスに氷をたくさん入れ、そして梅酒を注いだ。並々注いでもボトル1/3分の梅酒が残った。つまり二杯分の梅酒である。安い。もちろんその安さは店がやるべきことの大半を客である俺が肩代わりしてるからに他ならない。そういうのが面倒くさいと感じるネンネは普通の居酒屋に行けばいいのであって、根っからのハードボイルド固ゆで野郎である俺にとっては造作もない。

 

俺は梅酒を飲みながら椎名誠の「新宿遊牧民」を読む。これはどういう小説かというと、いや小説という体をとっているのだがエッセイぽいというか、要は椎名誠の自叙伝な訳であるが、まあとにかくビール、ビール、隙あらばビール、という感じで、夜な夜な居酒屋で酒を飲む男たちが思いつきで旅に出たり思い付きでふざけたことをしながらなんか気がついてみたら社会的に成功しちゃいました、という話であり、というかまだ途中までしか読んでないから今後これがどういう結末を迎えるのかしらないけども、まあとにかくそういう話である。そしてファミレスで酒を飲みながらこれを読むことにより、なんだか俺も椎名さんと同じ居酒屋にいて椎名さんの馬鹿話をふんふん言いながら聞いてるような、そんな幸せな気分になってくる。酒は偉大だ。

 

梅酒の一杯目を飲み終えたところで、肉味噌と豆腐のオーブン焼きが届いた。上々のタイミングである。ここで次のオーダーを通してもいいが、ドリンクバーがあることにより飲み物が途切れることのない安心感があったので、じっくり腰をすえることにした。肉味噌と豆腐のオーブン焼きは、表面にかかってるチーズがうまい具合に溶けており最高であった。梅酒を飲む、肉味噌食べる、新宿遊牧民、梅酒を飲む、肉味噌食べる、新宿遊牧民…という美しいサイクルで飲み進み食べ進み読み進んだ。

 

そうこうしてるうちに梅酒と肉味噌が同時になくなった。全て計画的に事が進んでいる。次の一手を打たねばならない。注文はもう決まっている。生ビール(499円)と、鶏のから揚げ(250円)である。そう、もともと生ビールが飲みたかったのだ。生ビールが飲みたくてファミレスに来たのになぜこんな面倒くさい経路をたどるのか…ということは既報の通りなのでここでは触れないが、ただ一つ言えるのは、面倒くさい縛りがあった方が往々にして人生が豊かになる、ということだ。

 

さて、新規オーダーを通し、空いた皿と梅酒のグラスが片づけられ、目の前のテーブルには最初に持ってきてもらったお冷と、そしてドリンクバーのグラスが残っていた。ドリンクバーのグラスには、溶けて残った半分ほどの氷がある。ここでアイスコーヒーのお代わりとなる。が、ここで待ってほしい。よく考えて欲しい。この場合、一番エレガントなアイスコーヒーのお代わりはどのようにすればいいだろうか。

 

結論から言えば、半分の氷にあわせてアイスコーヒーをグラスに半分注ぐ、である。これだと無駄がない。二杯目のコーヒーを飲み切った頃には氷も全てなくなっている算段である。歴史が好きな人は良く知っている有名なエピソードであるが、戦国時代、関東で一大勢力を築いた北条氏の四代目、北条氏政の汁かけ飯の話である。氏政がごはんに汁をかけ食べていたら汁が足りなくなったのでもう一度汁をかけた。それを見た父である三代目の氏康が嘆く。ああ、ご飯をみただけで必要な汁すら計れないようでは、戦国の世を生き抜ける器量ではない、北条の世もこれまでか…、と。汁かけを二度しただけでここまで言われるのはひどいと思うかもしれないが、ご存知のように結果として北条氏政小田原征伐により降伏し切腹しているのだからこれは氏康の慧眼というしかなく、だからここで俺が言いたいのは、二杯目のアイスコーヒーをお代わりするのに氷を足すような奴は戦国の世を生き抜けない…ということだ。

 

無論ここは戦国の世じゃない現代なので二杯目のアイスコーヒーに氷を足しても生きていける。しかし半分の氷に合わせて半分のアイスコーヒーを注ぎ氷を残すことなく使い切る、というのは極めて合理的かつエレガントな解法である、ということに疑問を挟む余地はない。世が世なら俺も北条の四代目として関東に覇を唱えていたかもしれない…などとアイスコーヒー一杯でここまで妄想が進むのである。酒は偉大だ。

 

話をもどすと、生ビールはテーブルにすぐ来た。アイスコーヒーを飲みほしたまさにベストタイミングで。ようやく待望の生ビールである。グラスはキンキンに冷え、泡も良い感じにクリーミーであった。一口飲む。美味い。二口飲む。美味い。やばいこれ永遠に飲んでられる…。新宿遊牧民にちょうど書いてあったのだが、当時は生ビールが無く、そして生ビールが誕生したての頃は、店によってサーバーの管理がずさんだったりしたので、生ビールの味もまちまちであった…とのことである。今はどこに行っても美味い生ビールが飲めるので、これは現代ってやっぱ最高だな、戦国時代の関東の覇権なんていらんわ、だって生ビール飲めないし、となる。

 

から揚げが来たのは生ビールを半分ほど飲みほしたところであった。ついに来た…という感じである。なにが来たかと言えばからあげが来たのではない。戦争が来たのである。皿にのってるのは、から揚げ4つ、フライドポテト4つ、そしてレモンである。ほら、ほらほらほら。これはもうね、面倒くさい人がね、主張しますよ。食べ方について。レモンについて。レモンの処遇について。君たちの言いたいことはだいたい分かってる。でもね、これは一人飯なんだから、俺が食べたいように食べます。いいですか。これは一つのエレガントな解法として最後まで聞いてください。いきますよ。

 

まずジョナサンのテーブルに置いてある調味料を確認する。ケチャップ、塩、タバスコ、パルメザンチーズ、醤油。それにレモン。ここから最適なから揚げの食べ方を模索する。本当は俺は胡椒をかけてから揚げを食べたかった。しかし胡椒はないので、とは言えここで店員さんに胡椒を頼むような野暮は絶対にしたくないので、現有勢力だけでたどり着ける最高にエレガントな解法を模索すると、必然的にタバスコとなる。タバスコは唐辛子と酢だ。ドレッシングの構成要素を思い出して欲しい。油と、塩分と、胡椒(辛味)と、酢(酸味)…。つまり、もともとから揚げにかかってる塩および油、そこに辛味と酸味を加えれば必然的に調和することは理論上明らかである。俺はから揚げにタバスコをかけて食べるのは初めてであるが、食べる前から美味いことは当初から約束されていたのである。

 

レモンを残すつもりか、という向きもあるだろう。話は最後まで聞いて欲しい。レモンは、一番最初にもらったお冷にかけてレモン水にするのである。なんという無駄のない、調和のとれた世界であろうか…。自分で言うのもなんだが、これぞ北条四代目にふさわしい采配であると言えまいか。このレモン水を最後に飲みほしてお会計、が一番エレガントな解法である。とはいえ、まだこのまま終わらせる気はない。なぜなら、生ビールのお代わりは100円引き(399円)になるからだ。これはもう二杯飲めということだから、空気の読めてしまう俺は二杯行ってしまうのである。

 

ここで艦これで培った俺の完璧な資源コントロールをみてほしい。から揚げ4個、フライドポテト4個の現有戦力を二分する采配をとるが、今手元にあるのはジョッキ半分の生ビールであるので、これにあたらせるから揚げは1個、フライドポテトは1個とし、残りの3個ずつをもって生ビールおかわりに当たらせる…というのが完璧な資源配分というものである。

 

古参アピールで恐縮だが、俺は呉鎮守府の提督勢である。ちなみにプレイして半年目ぐらいに強硬策を取らせた霧島が被弾し沈没してしまったので、それがトラウマになり以降全く艦これをやってない。クソ采配じゃねーか、どこが北条四代目だ、という批判は甘受する、しかしどんな名将でも無敗はあり得ない訳で、俺の、あえて俺の、と言わせていただくが、俺の霧島が死んでしまった教訓は、いま、ここで、このジョナサンにおいて、いかんなく発揮されているのである…。

 

生ビールの二杯目が来た。そしてから揚げの3個目と4個目にはパルメザンチーズをかけて食べた。新宿遊牧民は100ページほど読み進めた。俺はレモン水を飲みほした。すべてが調和をたもち、物事は極めてエレガントに終了した。

 

「 I'm a perfect human . 」

 

サングラスをかけたあっちゃんが首をかくっと横に倒す姿が俺の脳裏に浮かんだ。会計は税込み2049円だった。

花見日記

srdk.rakuten.jp

楽天のオウンドメディア「それどこ」で記事をかかせていただきました(正確にはまだ3歳になってないけど…)。もし良かったらご一読ください!

 

 

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町会のお花見に行ってきた。とてもいい天気で気持ちのよい一日だった。昼に公園につくとすでに有志たちが桜の真下に場所をとってあり、シートが敷かれテーブルも用意されオードブルも酒もすべてが完璧に整っていた。こんなに至れりつくせりの花見に参加するの初めてかもしれない。楽しかった。娘は同い年のお友達とあそんだり、近所のおじさんたちに可愛がってもらったりして楽しんでいるようだった。

 

町会付き合い面倒くさい、という人もいるかもしれないが、自分は大好きである。理由ははっきりしている。土地柄、お祭りと酒を飲むのが大好きな人たちばかりで、町会の集まりといっても毎回酒をのんでぐだぐだやるだけで、その酒代は町会費から出ていて、そして俺がこの世で最も好きな酒は他人の金で飲むタダ酒だからである。

 

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じつはべろんべろんに酔っぱらってしまい記憶があまりないんだけども、デジカメの中にある(酔った俺が撮ったらしき)娘の写真がちょう良くて、すげえ上手い…誰がこれ撮ったの…ていうか俺の娘ちょうかわいいのでは…ってなった。

 

 

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寿司ネタ以外の美味しい炙りネタを探してみた

アウトドアグッズというのは被災した場合の防災グッズにもなるので、「俺は万一の時に家族を守るために防災用品を買っているのだ…」という体で己の趣味のアイテムを買う口実にするには最適である。今回はガスバーナーを買った。新富士バーナーのフィールドチャッカーST450。これ使ってみたけどたいへん便利で、万人にお勧めできるアイテムである。

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まず、これがあれば一瞬で火がつく。薪だろうが炭だろうが関係ないのである。着火剤なんていらない。これがあれば一瞬でカタがつく。火力を調節できるので弱めればタバコだって火がつけらる。

 

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やろうと思えば湯だって沸かせる。アウトドアで調理のために使うガスバーナーといえば専用のねじ込み式ガスカートリッジを使う場合が多く、メーカーによって微妙に接続部分が違うのである。趣味のアウトドアでやる分にはいいかもしれないが、防災という観点で言えば汎用品のカセットコンロ用ガスボンベを使えた方が絶対いいに決まってる。

以上のことなどから有事の際のために一家に一台ST450を買ってもいいのではないだろうか。値段はだいたい3000円である。

 

 

……さて、ここからが本題である。せっかくガスバーナーを買ったのでいろいろ試して遊ぶことにした。ガスバーナーと言えばお寿司の「炙り」である。

 

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さっそくスーパーで買ったパック寿司をバーナーで炙って食べてみることにした。

 

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 うめえ!!いや、びっくりした。全部美味しかった。炙ることにより魚の香りが強く感じられとても美味しい。イクラを炙ると残念な見た目になったのでさすがにこれは失敗かとも思ったが、食べてみたら予想に反し美味かった。自分で軽く炙っただけなのにこんなに美味しくなるなんて…。かつて見ていた料理の鉄人道場六三郎が残り時間ギリギリで最後に料理をバーナーで炙って仕上げる姿が印象的だが、実際に軽く炙っただけで美味しくなったので自分も六三郎になった気分である。

 

で、寿司を炙って食すというのはすでに一般的なので、寿司以外に炙って美味しい食材はないかといろいろ試してみた。これは自分の勘なのだが、アルコール分をとばす「フランベ」を炙りに置き換えてみたら、脂っこい食べ物の油分をバーナーで炙ることによりとばすと美味しくなるのではないか…

 

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スーパーで買ったアナゴの天ぷら。炙ってみたけど特に美味しくならなかった。あれ?炙りが足りなかったのだろうか。

 

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スーパーで買った春巻きとシューマイである。シューマイはほとんど味が変わらなかったけど、春巻きは劇的に美味しくなった!なんというか、揚げたてのパリパリ感がバーナーで炙ったことにより蘇った感じがする。写真で見てもらうと分かるのだが、バーナーで炙ると衣に染みた油が浮きだしもう一度揚げたような感じになるのである。春巻きの炙りはマジで美味い。これ食べたら普通の春巻きは食べられない…。

 

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 コンビニで買ったメンチカツ。春巻きが劇的に美味しくなったのでこれもいけるかと思ったが、残念ながら炙ってもあまり変わらなかった。天ぷらと同じで、衣が厚すぎると効果が薄いのかもしれない…。

 

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ポテトチップス。油分が多く、炙るとたしかに余分な油がとび香ばしくなるのだが、すでに商品として売られてる状態で十分パリパリ感と香ばしさがあるので、炙ってしまうと過剰な香ばしさになってしまった。普通のポテチと炙ったポテチがあったら、間違いなく普通のポテチを食べるであろう。しかし、しけってしまったポテチを炙ってみたらパリパリ感が蘇り美味しくなるかもしれない…。

 

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6Pチーズ。グラタンも焦げ目がついたところが美味しいのでこれは鉄板で美味いだろう!!とやってみたが炙っても全く味が変わんないので逆にびっくりした。やっぱとろけるチーズじゃないとだめなんだな…。プロセスチーズを炙っても全く美味しくならない。学習した。

 

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笹かまチーズ。これは炙ると香ばしくてとてもおいしかった。

 

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せんべい。これは焼きおにぎりからの連想で、コメに醤油を塗って炙れば美味しいのだからせんべいなんて炙れば美味しくなるに違いない、という推論である。結果としてはポテチと同様、炙っても美味しいがすでに商品として売られているせんべいがベストバランスな状態なので余計に炙る必要はない、強いて言えばしけったせんべいを炙ると美味しくなるかもしれないね、という感じだった。

 

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スーパーで買ったポテトサラダ。炙ってみても全く味が変わらなかった。ガスの無駄だった。

 

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モンブラン。キャラメルプリンを最後に炙って焼き色をつける、というところから連想して、甘いものを炙ったら意外とイケるのでは…となったのだが、結果としては味は全く変わらず、ただただヌルいケーキになってしまった。

 

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コンビニで買った餃子と焼き鳥。これは両者ともバーナーで炙ると劇的に美味しくなった。余分な油がとんで香ばしくなっており、まるで焼き立ての餃子と焼き鳥になったかのようだった。

 

以上の結果をまとめてみた。

 

〇劇的に美味しくなる

・スーパーのパック寿司

・スーパーの春巻き

・笹かまチーズ

・コンビニの餃子

・コンビニの焼き鳥

 

△条件によっては美味しくなる

・ポテトチップス

・せんべい

 

×味が変わらない、もしくは不味くなる。ガスの無駄

・スーパーのあなご天

・コンビニのメンチカツ

・プロセスチーズ

・ポテトサラダ

モンブラン

 

以上である。ガスバーナー炙り界にはまだまだ広大なブルーオーシャンが広がっているので、皆もガスバーナーを買っていろいろ試してみよう。三千円で気分は六三郎、破格のお値打ち品である。

2歳11カ月

 

娘が3歳になる前に愛宕神社の出世の階段を一緒に登りたいな、と思っていて、天気も良かったので休みの日に娘と二人で行ってきた。

 

愛宕神社の鎮座する愛宕山は東京23区で最高峰を誇る山だ。といっても標高はたったの26mなのだけれど、山の周りはほとんど海抜0mに近く、愛宕神社の位置する高さは周囲のマンションの8階ぐらいに相当するので、まあ結構な高さである。娘は階段を登るのが好きだ。江戸東京博物館に行った時も、展示物には目もくれず娘はひたすら階段を昇り降りして楽しんでいた。娘が好きなことをやらせたいな、という親心もあり、今回のチャレンジに至った次第である。

 

 

 するすると登っていく娘。本当は正面から撮りたかったのだが、滑落の危険もあるので後ろから見守る。

 

 

 

こっちを振り向いて手を振る余裕すらあった。

 

 

あっけなく登頂してしまった。よく頑張った。社務所で「出世の階段の最年少登頂記録なんてものはありますか?」と尋ねたところ、巫女さんは困ったように「ちょっとそういうのは無いんですが」と答えた。ネットで検索してもそれらしきものが無かったので本当にないのだろう。なので、うちの娘の2歳10か月を現時点での最年少記録と言っても差し支えあるまい。言ったもん勝ちである。

 

 

札幌に住む母方の祖母が亡くなった。97歳だった。もうここ何年かずっと体調が悪く、いつ死んでもおかしくない状態だったので心の準備はすでにできていた。葬儀は家族葬で、俺は父と母と3人で札幌に行った。葬儀は滞りなく終わり、久しぶりに会う札幌の親族たちとは思い出話で盛り上がった。父が懐かしむように話す。

 

「ヒロキがまだ小さい頃、妻と喧嘩して『出てけ!』って言ったんだよ。そしたら本当に子どもを連れて妻が家を出て行ってさあ、思い当たるところに手当たり次第電話をかけたんだけど全く見つからなくて、これはいよいよ実家に帰ってしまったんじゃないかと思って、最後に札幌に電話したんだよ。妻がそちらに行ってるんじゃないかって。そしたら電話に出たお義母さんは立派だったねえ、ピシャッとこう言われたよ、『娘が家を出ていくようなひどいことを、あなた娘にしたんですか?』って。俺、何も言い返せなくてさあ…」

 

この話を父から聞くのは何度目だろう。初めて聞いたのは、俺が奥さんと結婚する直前のことだった。ヒロキというのは俺のことだけど、まさかあれが夫婦喧嘩の末の家出だとはその時まで全く知らなかったのだからそれを聞いた時は衝撃だった。確かに自分の中にその記憶はある。それは俺が5歳か6歳ぐらいの頃、母に連れられて妹と3人で横浜に行き、そのままホテルに一泊したというものである。しかしそれは自分の中で美しい思い出として記憶している。なぜなら夫婦喧嘩うんぬんの記憶はすっぽりと抜け落ち、母が買ってくれたいちご1パックをホテルの部屋で3人で分け合って食べたという美しい記憶しか残っていなかったからである。ちなみに当時の母は札幌から横浜に越してから数年しか経っておらず、行くあてが無かった母が唯一知ってるホテル、つまり結婚式をあげた横浜のホテルに泊まったとのことだった。

 

「その後でわたし、母さんに怒られたの。『あんた、なんで札幌に帰らなかったの!次に何かあったらいつでも帰っていらっしゃい!』って…」

 

「…そういうことがあったもんだから、それ以降、妻に『出てけ』って言うのをやめたんだ。そのかわりに、こう言うことにしたんだ。『この部屋から出てけ!』って」

 

こういう場になると必ず話す、父の鉄板エピソードである。この話を俺の結婚直前にしたのは理由があって、「だからヒロキ、お前も奥さんに絶対に『出てけ!』なんて言うなよ」と最後に締めくくったのであった。

 

これを久しぶりに聞いて思い出したのが自分たちの夫婦喧嘩の末の家出エピソードである。結婚前に念押しされていたので、自分たちの夫婦喧嘩の時に出て行ったのは俺の方だった。「もうこんな家、出て行ってやる!!」と大声で宣言し、着替えや荷物をスーツケースに詰めながら、早く止めてくれよ、そっちが先に謝るのなら俺だって謝る準備は出来てるんだから…と内心思っていたが、声をかけてもらう気配すら無かったので、いよいよ家を飛び出すしかなく、「もう帰ってこないから!!」と捨てセリフを吐いて家を飛び出したのだった。ちなみになぜそこまでの喧嘩になったのかの原因は覚えていない。本当にくだらない理由だったのだろう。

 

ただ覚えているのは、娘が生れて数か月目の夏の夜だったということだ。当時は俺も奥さんも本当にしんどかった。娘が夜になかなか寝てくれなかったからだ。生まれた当初は母乳と粉ミルクを半々ずつ飲んでいたのだが、次第に娘が粉ミルクを拒否するようになってしまい、粉ミルクを飲まなくなると娘を他人に預けることも出来ず、夜は数時間おきに娘が泣いて起きるのでろくに眠れず、乳首を毎回噛まれ、重い娘を抱きかかえて寝かしつけてるうちに腰をやられ、そんな生活を連日つづけてるうちに奥さんは完全に疲弊しきってしまった。俺は俺で日中会社であくせく働き夜は子育てを手伝い、大好きな酒を断っている奥さんの前で酒は飲めないと自分も酒を断ち、会社でも家でもストレスをためとうとう鬱になってしまった。俺も奥さんも全く余裕がなかったのだ。

 

家を飛び出したものの行くあてもなく、蔵前のホテルに行ってみたが満室ですと断られ、俺は一人夜の隅田川沿いのベンチでたたずんでいた。今にして思えば、どこかにパーッと飲みに行って気分転換すりゃいいじゃんと思うのだが、病んでいた当時はその発想にいたらず、ひたすら死にたいと思っていた。自分なんてこのまま野垂れ死にすればいいんだ、このままベンチで寝て朝になって凍死体になって発見されればいいんだ、と…。しかし夏だったので夜はちょうどいいぐらいの気温でありまったく凍死するような気配もなく、そもそも隅田川のベンチはホームレス対策でベンチに人が寝れないような間仕切りがしてあり、ベンチで寝れないのならと植え込みで横になったのだがどうにも寝心地が悪く、死に場所をもとめ隅田川沿いをウロウロしているうちに朝になり、疲れていたしおなかも空いたので家に帰って奥さんに謝った、というエピソードだ。

 

いや、今思い返したって自分の行動が全く理解できないのだが、それ程までに自分は病んでおり、奥さんも疲弊しきっており、とどのつまり、あなたを育てるのはそれ程までに大変なことだったんだから…という話を、自分もいつか娘に(笑い話として)話すときが来るのかもしれない。どんなタイミングで切り出すか思案してみたのだが、やはり娘の結婚前がいちばんいいな…とぼんやり思った。

 

南部鉄器、たこ焼き、東京キャンプ

とうとう念願のたこ焼き器を買った。南部鉄器でつくられた池永鉄工の電調せんか16穴。鉄板のみのいたってシンプルなものだ。

 

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鉄板のたこ焼き器の良いところは、幅広い使い方ができることだ。ガスコンロはもちろん、カセットコンロ、電気調理器、やろうと思えば焚き火でだってたこ焼きが作れる。俺は娘と二人で焚き火でたこ焼きをつくるための旅に出ることにした。

 

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薄力粉とだし汁、卵はあらかじめかき混ぜておき、ペットボトルに詰めておく。タコやネギもあらかじめ切っておく。現地で使う道具を最小限にするために、家で出来ることは家でやる。

 

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二人分の食材と食器、火おこしにつかう最小限度の道具、そして娘のおむつや着替え。大人一人が手荷物で持てるよう荷物は極限まで抑える。

 

 

詰めるとこうなる。クルマで行くキャンプは荷物の心配など不要だが、公共交通機関で行くソロキャンプは道具の選択の段階で頭を悩ませる必要がある。極力荷物を減らす。なぜクルマを使わずにこのような苦労をするのか。決まっている。焚火をしながら飲む酒は最高に美味しいからだ。

 

 

目指す城南島キャンプ場は東京モノレール流通センター駅からバスで15分くらいのところにある。京急平和島駅やJR大森駅からもバスが出ている。でもせっかくなので普段乗る機会のないモノレールに乗ることにした。生れて初めて娘と一緒に乗るモノレール。家族で横浜の実家にクルマで帰るときは首都高1号線からよくモノレールを眺めていたが、今日はモノレールから首都高を行きかうクルマを眺めている。娘を先頭車両の窓際に座らせたら興奮して車窓を眺めているようだった。

 

流通センター駅で降りると、ちょうど目の前でバスが城南島に向けて出発したところだった。時刻表をみたら次のバスは1時間後。スマホで調べたら駅から城南島キャンプ場までは徒歩で45分と表示されている。タクシーも全く通らない。やれやれ。歩くしかない。

 

 

城南島へ向けて歩く。交通量はとても多い道だが、そのほとんどは大井ふ頭をめざすトラックである。歩いて城南島キャンプ場を目指す物好きな歩行者など存在しない。俺と娘だけだ。

 

 

 

手入れのされない街路樹や植栽が野生に帰ったようにのびのびと成長しており歩道を侵食している。そもそも歩行者などいないのだから手入れなどする必要などないのだ。周りは物流倉庫や工場で人の気配はない。いや、人はいるのだろうが、みな建物やクルマの中でひっそりと仕事をしており外に出てこない。

 

 

人はいるけど人はいない。建物はあるけど何もない。娘と二人で歩いていると孤独すぎてなんだか砂漠をあるいているような気分になってくる。いや、これこそが本当の意味での東京のアウトドアであり東京のキャンプなのかもしれない。

 

 

45分かけてたどり着いた城南島キャンプ場は砂漠のオアシスのようであった。受付で簡単な手続きをすませ指定の席で荷物を降ろしビールをあおるとようやく人心地ついた。さて、これから火おこしだ。

 

 

実はここに来るまでの道中にたくさんの木の枝が落ちており、軽く拾っただけでこのぐらいの量になった。火つけしやすい枯れた松の葉や松ぼっくりもキャンプ場にたくさん落ちている。薪を持参したのでたいした量を拾ってないが、本気で拾えば燃料すら全て現地調達できるかもしれない。

 

 

火おこししてる間、落ちてるどんぐりをかき集めて遊ぶ娘。

 

 

ビールを飲みながら火おこししてたらあっという間に火がついた。

 

 

 たこ焼き器を火にかけ、油を引き、タネを落とし、具を入れた。

 

 

うちわで風を送る娘。

 

 

ひっくり返す。ここで気づいたのだが、完全に火力不足だった。薪が足りない。キャンプでたこ焼きを作るには、安定して強い火力を供給しつづける必要があった。ここまでですでに持参した薪を半分以上使用している。火力が弱いのでたこが上手くひっくり返せずぐちゃぐちゃになってしまう。家でたこ焼きを作った経験がほとんどないので単純に己の技量不足なのかもしれないが…。

 

 

 まあそれでもなんとか形にはなった。たこ焼き第一弾の完成だ。

 

 

あっという間に完食してしまった。うまい。最高。海風に吹かれながらビールを飲み、焚火をし、つまみに食べるたこ焼きの美味しさといったら筆舌に尽くしがたい。

 

 

 さて、ここからが真の勝負である。まだまだたこ焼きのタネも具もたくさんあるのだ。燃やせるものは何でも燃やす。娘には悪いがとりあえずかき集めたどんぐりを燃すことにした。もちろんこんなのじゃ全然たりない。枝。枝が必要だ。

 

 

娘と一緒にキャンプ場内で燃料をかき集めることにした。場内では簡単に松葉が手に入りよく燃えるのだが、一瞬ですぐに火が消えてしまう。俺と娘は蒸気機関車の給炭手のように、ひっきりなしに燃料をかき集め、燃やし、また燃料をかき集めた。「おとうちゃーん、松ぼっくりあったよォー」娘もノリノリでこの状況を楽しんでいるようだった。

 

 

 我々はそのようにして、持参した1.5L分のタネを全て使い切ってたこ焼きをつくった。次に行く時は薪をもっとたくさん持って行こう。でも、こうやってアドリブで楽しむキャンプもじつに楽しいものだった。

 

 

撤収し、受付横の多目的トイレで娘のトイレをすませ、帰りのバスを待つ。娘は疲れたのか待ってる間にすぐ寝てしまった。

 

 

お疲れ様。

2歳10か月

 

最近の娘は神経衰弱にハマっている。とんでもなくハマっている。かわいい動物が描かれた8組16枚の木のカードを使ってあそぶ神経衰弱である。娘が毎日みているEテレの番組「みいつけた!」で神経衰弱を何度も観ているので、ルールを飲み込むのはすぐだった。「くまさんとゾウさん。覚えた?」「おぼえてるー!」「次は、アヒルさんと、くまさん…」「くまさん、いたなぁー」「どこかな?」「どこかなぁー…」本気でやると俺の全勝になってしまうので、ハンデとして俺がカードを1組当てたら娘に手番を譲る、娘がカードを1組当てたら続けて娘の手番とするルールでやっている。それでも3回に2回は俺が勝つ。娘に配慮してわざと外すということだけはしない。あくまで真剣勝負だから楽しいのだ。「お父ちゃんの勝ち―!」「もいっかいー!」「これで最後だって言ったでしょ?」「もいっかいー!」「もうそろそろねんねの時間だよ?」「もいっかい!もいっかい!」「じゃあ、本当の本当に最後だよ。分かった?」「わかってるー!」こうして最後の1回を5回ぐらいやってようやくお開きになる。ここまで娘がはまったゲームは初めてだ。

 

 

仕事が長引き、会社に21時頃まで残っていた。もう少し時間がかかりそうだ。俺は奥さんに「今夜は遅くなる」とメールした。すぐ返信がきた。「お父ちゃんと神経衰弱やるって娘が言ってるんだけど」「え、まだ起きてたの??」なんてことだ。娘は神経衰弱を一緒にやるのを楽しみに俺の帰りを遅くまで起きて待っていたというのだ。こんなにドはまりするとは思わなかった。2歳半を過ぎたあたりから何かにつけて「おかあちゃん、おかあちゃん」で俺がオムツを交換しようと思っても拒否しておかあちゃんに交換させるという塩対応だったのだが、動物カードの神経衰弱にドはまりしてから娘は急に俺に優しくなった。しみじみ嬉しい。本当に買ってよかった……

2歳9か月

 

金曜ロードショーとなりのトトロが放映されていたので、録画して娘に見せた。

 

正直いって、娘がここまでトトロにはまるとは思わなかった。毎日毎日飽きずにトトロを観てる。作中のセリフも暗唱できるぐらいに覚えており、何の脈絡もなく「おとうちゃん、みちまちがえちゃったー」と言い出すし、突然手のひらをパーンと叩くし(メイがまっくろくろすけを捕まえるシーンの真似らしい)、とうもろこしはトウモコロシとして覚えてしまった。夜、暗闇の中で娘が突然「このおうち、なにかいる!!!」と言い出したので心臓が止まるかと思ったが、よく考えたらトトロのセリフだった。びっくりした。奥さんは「録画を毎日見せてるとCM飛ばすのがめんどい。DVD買って」と憔悴しきった顔でいうのでとうとうDVDを買ってしまった。今では自分でDVDをプレイヤーにかけ再生するやり方も覚えてしまった。子どもの育て方はこれであってるのだろうか…。

 

毎日毎日トトロだとこちらが飽きるので、千と千尋の神隠しのDVDも買って見せてみた。こちらはさして興味をしめさなかった。物語が難解すぎるのか。唯一娘が盛り上がったのは、釜爺の部屋でまっくろくろすけが登場するシーンだけだった。まっくろくろすけだー、って。それぐらい。

 

ならば、ポニョはどうだろう、と崖の上のポニョのDVDを買ってみた。トトロと同じぐらいはまった。トトロを毎日見る生活は、トトロとポニョを交互に見る生活へと変わった。子どもの育て方はこれであってるのだろうか…。思えば千尋は小学生だがメイもそーすけも未就学児だ。自分と年齢が近いキャラクターがでてるから興味がでるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

娘がいきなり「しょーまくん、すき!」と言い出した。ポニョの影響なのだろうか。ちなみにしょーま君は同い年の近所のお友達である。「すき」とは何か、どこまで理解してるのか、皆目見当がつかないが、ポニョとそーすけのような関係性をしょーまくんと築きたいと受け取っていいのだろうか…。

 

「好きな人が、できました」。耳をすませば公開当初のキャッチコピーである。早いよ、早すぎるよ。千と千尋すら飛び越えちゃってるよ。娘の成長は驚くほど早いんだ。たった1か月でこうなんだもの。

2歳8か月

 

娘が生れてもうすぐ2歳8か月になる。まあずいぶんと成長した。最近びっくりしたのは、というか今朝の話なのだけど、俺がテレビを見ながらラジオ体操を踊っていたら、娘に「ダスダスしないの!」と怒られた。まるっきり奥さんと同じ口調で。ふだん家でドタドタ走り回ってたら奥さんから怒られるから、同じこと言いたかったんだろうな…。俺は娘から怒られたことが嬉しくてニヤニヤがとまらなかった。というわけで本日は記念すべき日なのでこの感動を忘れぬうちにここに記す。

 

ゲンロンこども教室に行ってきた

 

 

先日、ゲンロンこども教室に行ってきたのでその時のことを記しておきたい。ゲンロンこども教室とは、カオスラウンジが講師陣になって定期的に五反田のゲンロンカフェで行われる子供向けのアート教室である。こども教室もできて3年目になるが、できた当初からずっと行きたかったイベントなのだ。しかし娘がある程度の年齢にならないと参加したって何もできないのは容易に想像つく、ので参加をずっと我慢してた。娘が成長するまでこども教室やってるといいなあ、とぼんやり思っていた。ところが、3期1回目の授業終了後に「次回からは2歳児でも参加できるような内容にする」と東浩紀さんがツイッターで明言してたので、行っていいんだ!となり3期2回目の授業に2歳7か月の娘と参加した次第である。

 

 

最初はゲンロンカフェの雰囲気に娘がビビって泣き出してしまい、1時間ぐらいずっと入り口で見てるだけだったんだけど、みんな優しく声をかけてくれた。最初に声をかけてくれた利発そうな女の子(後で気づいたのだが東さんの娘さんの汐音ちゃんだった)、ほしおさなえさん、娘につきっきりで指導してくれた梅ラボさんとスタッフの女性、皆さんのおかげでようやく娘も場になじみ作品(?)を完成するに至ったのだった。この2時間ですげえ成長した!感慨深い!参加してよかった!

 

この教室のおかげで娘と工作する楽しみに目覚めたので、後日娘とダンボーをつくってあそんだ。

 

 

いやーほんと参加してよかった。そもそも俺は昔からの東浩紀ファンなのだ。そして娘が生まれ、娘と一緒にゲンロンカフェのイベントに参加すること自体がとても感慨深い。

 

~俺と東浩紀

 

存在論的、郵便的。狂気のイベント「夜のファウスト祭り」でもらった

ファウスト3号。狂気のイベント「はてなオフ会」でもらった

クォンタム・ファミリーズ。カオスラウンジの個展で東さんつかまえてもらった

思想地図β1号。発刊記念トークショーでもらった。このすぐ後の忘年会でつかった映像の著作権で東さんと宇野さんは仲たがいすることになる

日本2.0。コンテクチュアズからゲンロンとなって初めてゲンロン事務所を公開したときのイベントでもらった

東京から考える。ゲンロンカフェができてまもない頃のイベントでもらった。

娘と一緒にはじめて参加したこども教室でもらった。ここまで来るのに12年かかった。

こども教室に参加するためにゲンロン友の会に参加し、勢いで今夜のゲンロン総会のチケットも取ってしまったので勢いで書いた古参アピール。以上です。

上野の魔女はいかにして魔力を駆使しお菓子をせしめるようになったか

ハロウィンパレードって渋谷や川崎だけでなく上野御徒町でもやってるんだね。知らなかった。

 

ueno-halloween.com

 

せっかく娘が歩けるようになったのでどうせなら二歳半の娘と一緒に参加したい。そのぐらいの軽い気持ちだった。しかしそれはとんでもなく苦難を伴う道だった。結論から言うと、仮装パレードよりも上野御徒町の方々でお菓子が貰えるトリックオアトリートの方が面白かった。俺はいつのまにかキュウべえになっており、娘は無事に成長をとげ魔女になった。なんだかよく分からないがそういうことだ。

 

第一話 魔女、覚醒せず

浅草橋の駅前のシモジマは季節ごとのディスプレイ商品を多数揃えている店であり、毎年この時期になると店頭はハロウィングッズで溢れかえっている。毎年「楽しそうだなー」と思いながら通り過ぎるだけだった。が、今年は違う。娘と一緒に参加するのだ。俺は会社の昼休みを利用し(職場の近くなのだ)、娘の衣装を物色した。ただでさえ娘の服を選ぶのは楽しいのだが、ハロウィンの衣装を選ぶのはとんでもなく楽しい。2歳半の娘が何を着たってとんでもなく可愛いに決まってる。いや、親バカは分かってるのだが、でも娘が着ているところを想像すると溢れ出すニヤニヤをとめることができない。人間とは無力な生き物である。

…とはいえ、子供用の仮装衣装はたくさんあるが、だいたい6~10歳児向けにつくってあるので娘にジャストフィットする衣装というとなかなかない。俺は魔女の帽子とマントを選んだ。服ならすぐ着れなくなるが、帽子とマントなら体が一回り小さくても着れるしある程度大きくなってからも着れるからだ。

翌日の朝、さっそく買った衣装を娘に着せてみようとした。ところが「ヤダ!!キナイ!!!」と断固拒否!!魔女の帽子すらかぶろうとしない。ええ?ダメなの?スターマンの帽子はノリノリでかぶるくせに…基準がわからない…。

 

https://www.instagram.com/p/BGgYpJ-D5vc/

参考:お祭りでみんな祭り衣装を着てる中ひとりスターマンの帽子をノリノリでかぶる娘

 

ここで強引に着せてしまってはトラウマになるかもしれない。おそらく魔女を見慣れてないから魔女の衣装に拒否反応をしめしてるだけなのだ。今日は木曜日。パレードは二日後。その時までに魔女として覚醒してくれればいい。すっかり気分はまどマギキュウべえである。

 

―――魔女の衣装を着れば超絶カワイイの間違いないのに、僕はキミがなぜ魔女になることを拒否するのか、皆目見当がつかないんだ。二歳児というのは不合理な生き物だね―――

 

第二話 魔女の目覚め

翌日の夜、仕事から帰ると娘は風呂上りであとはもう寝るだけという状態だった。チャンスだ。娘は朝が一番機嫌が悪く、寝る前が一番上機嫌なのである。俺は娘に言った。「明日はハロウィンだよ」「はろいん?」「ハロウィンはね、みんながお菓子をいーっぱいくれるんだよ、お菓子ほしいでしょ?」「おかし、ほしい」「なら明日帽子をかぶってお菓子もらおうね、帽子をかぶってないとお菓子もらえないからね、分かった?」「わかった」

 

―――嘘は言っていないよ。ただ、己の目的を達成するために伝えるべき情報を取捨選択はしたけどね―――

 

もはや俺の目的はすでに払い込んでしまった参加チケット前売り2000円を無駄にしないことになっていた。お菓子が貰えるのは嘘ではない。上野御徒町の協賛店舗で期間中「トリックオアトリート」の合言葉を言えばお菓子をくれるのだ。店の数は30ほどもある。俺は仮装パレードをメインに考えていたのだが、こうなったらお菓子で娘を釣るしかない。

https://www.instagram.com/p/BMGzn0HhYDI/

お菓子で釣れた娘

しつこく言い含めたせいで帽子をかぶってくれた。良かった。これで明日は大丈夫だ。

 

第三話 魔女、契約破棄

 さて上野ハロウィン当日である。受付は上野公園噴水広場前で13時まで。パレードは14時からとなっている。12時に家を出ればいい。早めの昼食をすませ、衣装合わせである。まずは俺から。

https://www.instagram.com/p/BMIaD8NhgsP/

 

説明が必要かもしれない。怪物くんのドラキュラのつもりである。ただ、シルクハットがシモジマで売ってなかったので、説明しないと分かんない感じになってしまった。ちょうど声優の肝付兼太さんが亡くなったニュースが流れた頃だったので、追悼の意でコスプレ、いわば追悼コスプレである。

しかしこれが、というかヒゲがよくなかったのかもしれない。娘は俺の顔を見るなり、今まで見たことのない怖がりっぷりで奥さんの膝に抱き着いた。「やだ。おでかけ、しない!」エーッ!!今になってそんな!あと2時間でパレードだというのに!っていうか今にも泣きそうになってるんですけど!!「行けばお菓子貰えるよ。お菓子欲しいよね?」「おかし、いらない!」エーッ!!参った。まさかお菓子すら拒否するとは思わなかった。昨日の夜、お菓子が欲しいから行くっていったのに!

 

―――まいったな。一度合意した契約を翌日一方的に破棄されるなんて、僕にはまるで理解できないよ。二歳児の潜在能力は途方もないね。しかし僕に残された時間はもう少ないんだ。多少卑怯な手を使ってでも、君には魔女になってもらうよ―――

 

第四話 上野の魔女、降臨

結局もの凄い勢いで顔を洗いヒゲを落としマントを外した。ただのスーツ姿なので普段会社へ行く格好と一緒である。「ほら、大丈夫。大丈夫でしょ?」「……」「おでかけ、しよ?」「……」疑心暗鬼な娘をなんとかなだめすかせて上野公園行きのバスにのった。集合は上野公園噴水前広場。上野公園に入ると大量のドングリが落ちていて、それを見た娘のテンションもあがった。「どんぐり、いっぱい、あるヨォー!」流れがきてる!これは案外すんなりいくかも…。

しかしハロウィンパレードの受付付近でジェイソンだの死体だののコスプレしてる集団がとぐろをまいているのを目にした娘はテンションがみるみる落ち、顔から表情が消えた。ヤバイ。俺は受付の待機列に並び、その間一生懸命娘を諭した。「今日はみんな変身する日なんだよ。今日は娘ちゃんは魔女に変身するの。変身したら魔法が使えるからね。魔法使えばみんなお菓子をくれるから。娘ちゃんも頑張って変身してお菓子をもらおうね。わかった?」「…わかった」そして受付をすませ、娘にマントを着せる。「……ヤダ。きない」「ほら、みんなも着てるよ?娘ちゃんもがんばろ?」そして…とうとう着たーーーー!上野の魔女降臨である。ほらほらほら。文句なくかわいいじゃないですか!!!!!!!!!!

 

 

顔はこわばってるけど!

―――大丈夫。怖くないよ。君のお菓子がほしいという祈りは間違いなく遂げられる―――

 

第五話 上野の魔女、覚醒

パレードまで時間があるのでお菓子をもらいにいくことにする。上野御徒町界隈で30箇所ぐらいの店でトリックオアトリートをやってるのだ。手始めに一番近い上野パーキングセンターへ。やってるやってる。駐車場の受付に子供たちが群がっていた。さあ、上野の魔女よ、お菓子ちょうだいと言うんだ!さあ!「………」恥ずかしがって言わなかった。でもちゃんとお菓子を貰えたよ。良かったね。

 

 

これに味をしめた俺と娘は、上野の店を次々に襲撃していった。じゅらく、串揚げじゅらく、ヤマシロ屋、COFFEEリーム、上野マルイ…。娘は相変わらず知らない人相手に緊張してるようだったが、お菓子を貰えるのはやはり嬉しいらしく、店員からせしめたお菓子を次々に俺の手提げに放り込んでは「つぎはー?」と催促するのである。主役はもちろん娘だが、付き添いの俺すら楽しくなってくる。行く先々でホールドアップがキマるかのような非日常感!!泥棒映画の主人公になった気分である。これは楽しい!というか、名前は知ってても普段入ったことないような店に変な格好で入るなり「お菓子下さい」ってヤバくないですか???他の日だったら通報されるようなことを、この日に限っては公然と行えるのすげー楽しい。楽しすぎる。店員は娘の魔力にかかったようにお菓子を差し出すし、俺も娘の魔力にかかった使い魔のように娘をあちこちに肩車で連れまわした。そして娘も場数を踏むたびにだんだんこの空気になれていった。これは娘の成長の物語でもあるのだ…。

 

 

この後パレードだったが、進行がグダグダすぎて間延びしてしまった。パレードの出発は14時ということだったが、出発前に1グループずつの写真撮影があり1時間ぐらいかかるので待ち過ぎでテンションがたおちである。あれなんとかならないかな…。大人なら1時間待てるが、子供が1時間待ちに耐えるのはほんとしんどいことだと思う。で、すごい時間待った割にはパレードすぐ終わっちゃうのがなんか…。それよりもトリックオアトリートで得られる高揚感の方がよほど楽しい。御徒町の駅前広場でパレード解散した後は再びトリックオアトリートで御徒町の店をかたっぱしから襲撃していく。松坂屋風月堂、ABABの前のクレープ屋、亀井堂、伊豆栄、あんみつみはし…。この時点で日が暮れたので引き上げることにした。回った店舗は全体の2/3くらい。それでこの収穫なのだから大満足である。

 

 

娘もいい経験をしたようだ。最初のもの凄く戸惑ってる様子を思い返せば、終盤はものすごい成長をとげ手慣れた様子でお菓子をせしめていった。でも最後まで「お菓子下さい」は言えなかったので、来年までには言えるようにしたい。手始めに回転寿司屋で物怖じせず「たまごください」を言えるようにならなければ。

 

というわけで、パレードはイマイチだがトリックオアトリートがとんでもなく楽しい上野ハロウィン、来年はもうちょっと早い時間から襲撃して全店舗を制圧したい。