インターネットの平和と安全を願って…人類最後のリッツパーティ

2017年7月19日、何の日かご存知でしょうか?ご存知ないですか。そうですか。実はその日は、俺の持っている最終ロットのヤマザキナビスコ・リッツの賞味期限です。

 

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…どうやらまだピンと来てない方がいらっしゃいますね。いいでしょう。これの意味するところはつまり、人類最後のリッツパーティの開催期限が迫ってる、ということです。

 

…ここまで話しても「はあ?」みたいなリアクションがくる世界にね、俺は正直言って失望してるんです。小さい頃からずっとリッツパーティーに憧れていて、でも一度もリッツパーティーを開催することもなくヤマザキナビスコのリッツが終売になった無念、お前らに分かるか?いや、分からんでもいい!とにかく、2017年7月19日がリミットなんです!ヤマザキナビスコが品質保証してる7月19日を過ぎると、それ以降にそのリッツでパーティーしたところで非公式ですから。闇リッツパーティーですから。それはかつてリッツと呼ばれた、別の物体ですから。俺はちゃんと、メーカーが公式に、味の品質保証をした7月19日までに、リッツパーティーをしたいんです。そして、俺は確かにリッツパーティをやったんだ、やりきったんだ…というこの時代に生きた証が欲しいんです。

 

で、ここまで書いたらどうせ小賢しい輩が言うんですよ、「ヤマザキリッツが終売になるだけで、リッツは普通に売ってるじゃん」って。もうね、全然分かってない。全然分かってないですよ、この状況を。ヤマザキリッツが失われた時代における、リッツパーティとは何か、ということについて、一度たりとも考えたことのない人の発言ですよ。

 

いいですか。これはね、戦争なんです。南北朝時代なんです。孝明天皇北朝後醍醐天皇南朝、どちらに正統性があるかっていう話と同じなんです。きわめて政治的な話になってしまうんです。ヤマザキルヴァンとモンデリーズ・リッツ、どちらが正統か?リッツパーティーを開催する前にまずこの辺の思想チェックをしなくてはならない時代なんです。

 

結論から言うと、俺はヤマザキルヴァンを正統な後継だと思っています。確かに、リッツをつくった本家はモンデリーズですよ。でも、日本において、リッツパーティーの価値を高めたのは間違いなくヤマザキナビスコの功績なんです。俺の憧れたリッツパーティとは、ヤマザキナビスコが生み出したものなんです。そして、ヤマザキリッツとモンデリーズリッツ、食べ比べたことあります?薄いでしょ?モンデリーズリッツ、薄いんです。ちゃんと成分表示みました?かつてのリッツに入ってなかった大豆が入ってるんです。名前も見かけもかつてのリッツですが、中身は別物なんです。ヤマザキルヴァンはね、味はかつてのリッツにとても近いんです。形は違う、名前も違う、でも味はヤマザキリッツであるヤマザキルヴァン。形は同じ、名前も同じ、でも中身は違うモンデリーズリッツ。どっちが正統な後継だと思いますか?

 

ここまでちゃんと分かった上で、なおモンデリーズリッツを正統な後継に推すというのならいいんです。でもね、話を戻すと、「ヤマザキリッツが終売になるだけで、リッツは普通に売ってるじゃん」なんて軽く言う奴はね、もうね、その辺のこと全く考えずに言ってる訳なんですよ。北朝南朝、どっちが正統かって聞いたら何も考えずに北朝っていうタイプなんです、この手の手合いは。後醍醐天皇が退位してないのに足利尊氏が勝手に孝明天皇を立てただけなのだから、南朝が正統に決まってるじゃねえか!戦で勝ったからとか、京の御所にいたからとか、そんな見かけ上の事象に騙されるんじゃない!

 

…いま、「決まってるじゃねえか」などと断定口調で書いてしまいましたが、決まってるわけではありません。北朝史観の人の言い分もわかります。この世界には真実や正義が無数にあるので、なにが真実でなにが正しいのか、皆目見当がつきません。自分は映画「もののけ姫」が好きなのですが、ラストシーンが特に印象的で好きです。

 

「アシタカは好きだ。でも人間を許すことはできない」

「それでもいい。サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。共に生きよう」

 

 そうなのです、立場が違えば永遠に交わることができない…という諦念とともに、それでも共に共存して生きていかねばならない、という力強い意志が描かれています。

 

南北朝時代は結局56年続きました。きのこの山たけのこの里の戦は、いまだ収束の気配をみせません。そしてヤマザキルヴァンとモンデリーズリッツの戦まで始まってしまいました。もう、あの頃のように、気軽にリッツパーティーは開けないんです。リッツとは何か、という問いから始めてしまうと、もうそれだけで日本中を真っ二つに割ってしまうんです…。しかし、そんな二つの勢力に分かれてしまったとしても、我々は共に生きていくという苦難の道を生きていかねばなりません。

 

これは、人類最後のリッツパーティ。モンデリーズ派のあなたとは、もうこうやって笑ってリッツパーティを開くことはできないんだね。そうよ、だからせめて、最後のリッツパーティを楽しみましょう…サンキュー、リッツ。

 

「「「サンキュー、リッツ」」」

 

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…途中から俺の妄想になってしまったが、要するに来るべき日のための買いだめした俺のヤマザキリッツの在庫を放出して友人たちとリッツパーティーをした、来るべき日が来た、という話である。

 

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でまあこの手の記事だと、「美味しかったディップレシピ10選」みたいなのやりたくなりますけど、なんせこれは人類最後のリッツパーティですので。レシピ書いたって再現性ないので書きません。もう人類最後のリッツパーティーは終わっちゃってますから。だからここからは、人類最後のリッツパーティーの証としての写真を提示していきますので、人類最後のリッツパーティーはこのようにして行われた、ということだけ把握していただければと思います。

 

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強いて格言めいた教訓を言うのであれば、マヨネーズ最強。修羅場をくぐったリッツパーティーピープルなら、マヨさえあれば100種類ぐらいのディップを生み出せる。

 

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ひとつ俺が失敗したと思ったのが、人生最初で最後のリッツパーティーだったので、気合が入りすぎて俺の秘蔵のニッカの限定酒、ピーティー&ソルティとウッディ&バニリックを持って行ってしまったことである。余市蒸留所でしか買えない高級酒で、新千歳空港で飲もうとすると1ショット1800円する。しかしですね、ヤマザキナビスコのリッツパーティーなのだから、ここは奇をてらわずにサントリーの山崎にするべきだったのだ…。事実、山崎の方が美味しいと言われました。ですよね…変なクセあるし…。完全に失敗だった。

 

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どっちが旧リッツでどっちが新リッツか見分けられればたいしたもの。右が旧リッツです。焼き色が濃いのが特徴。豆な。

 

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一人飯

blog.hatena.ne.jp

 

はてなブログには「お題」っていうのがあって、ついこないだまで「一人飯」というお題があったのだけど、書こう書こうと思ってるうちに仕事が忙しくて締め切り過ぎてしまった。でもこれは俺の得意分野だし、せっかくなので書く。

 

 

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世の中には読んでるだけで酒が飲みたくなる小説というのがあって、椎名誠の「新宿遊牧民」は間違いなく読んでるだけでビールが飲みたくなる小説だ。今、俺の中で椎名誠がアツい。中学生の頃はよく読んでいたが、高校生になってからはめっきり読まなくなった椎名誠。しかし、30台も半ばを過ぎたこの年になって自分の中で第二次椎名誠ブームが来てる。理由は二つある。ひとつはこの年になってアウトドアにハマったこと。ふたつめは、椎名さんぐらい適当な人生でもなんとかやっていける、ということに、疲れ切ったサラリーマンであるところの自分が物凄く勇気づけられるからだ…というと椎名さんに失礼だろうか。

 

まあでも新宿遊牧民がビールを飲みたくなる小説であることは間違いなくて、俺はドトールでコーヒーを飲みながら小説を読むのが好きなのだけど、新宿遊牧民に関していえば、これはとてもじゃないがドトールで読むのは耐えられない、ビール片手に飲みたいな…となる。とはいえ、家でビール片手に読む気がしない。なぜなら家にはソファとお布団があり、酒が入るとすぐにソファでごろごろしだし、気が付くと寝落ちしてしまうからだ。俺は酒は好きだがあまり強い方ではないので、ビール片手に小説を読むならある程度の緊張感が必要だ。そこで、外で一人でビールを飲む必要がある、という話になってくる。

 

ところで一人で酒を飲みながら本を読むにはどこがうってつけなのだろうか?バーは照明が暗いし居酒屋では騒がしすぎる。俺の中での最適解はファミレスである。家の最寄りのファミレスであるところのジョナサンで一人ビールを飲みながら新宿遊牧民を読む…というのは最高の贅沢ではあるまいか。

 

さて、行くべき店は決まりました。店に入りました。店員さんに席に通されました。はい、ここでどうするか。メニューを見ずに「とりあえず生(ビール)」と言うべきか。それはたしかに洗練された注文方法であると思う。ご注文がきまりましたらお呼びください、などというセリフすら言わせない、無駄なやり取りを一切排除した手練れの注文方法。一刻も早く酒が飲みたい、そのための最善手。悪くないと思う。むしろ、のっそりとメニューを見る行為などは緩手の極みである。

 

が、俺は30半ばのこじらせおじさんであるので、そううまくは事は運ばない。「とりあえず生(ビール)文化は、バレンタインデーと同じように、ビールメーカーのマーケティングのたまものだ」という話を聞いて以来、俺は最初の一杯に意地でもビールを飲まない…という面倒くさい誓いをたててしまった。それは「バレンタインデーなんて菓子メーカーの陰謀じゃねえか!」という負け惜しみの理屈が強固なものであるように、こじらせた面倒くさい中年男性の意地であり矜持であると理解してもらっていい。メーカーの都合に簡単に乗せられるほど、俺は甘い男じゃない…となる。面倒くさいでしょう。

なので、席に通されて店員さんが「ご注文が決まりましたら…」と言いかけたところでかぶせ気味に「注文いいですか?」と言う。メニューを開く。3秒だ。3秒で決める。メニューを開いてパッと目についたのはサングリア399円。食前酒としてふさわしいではないか。とりあえず、サングリア。ご注文は以上でよろしいですか?―――ッ!ちょっと待て!メニューの隅の方に、俺はとんでもない情報を書いてあるのを発見した。梅酒(499円)か焼酎(499円)を頼んだ人には、もれなくドリンクバーがついてくる――そして、ドリンクバーの飲み物でお好きに割ってお飲みください、とあった。なるほど合理的だ。梅酒を飲む時は大抵ロックだが無料でドリンクバーがついてくるのは魅力的だ。俺はサングリアをキャンセルし、梅酒に変更した。また面倒くさい人っぷりを発揮してしまった…。店員さんごめんなさい。

 

とりあえず最速で注文することに成功したので、俺はドリンクバーでアイスコーヒーを注いだ。酒を飲みに行って一杯目にアイスコーヒーを飲むことなんてある?ないでしょ?これは結果として素晴らしい判断だったのではないだろうか…と梅酒を待ちながら思うわけである。だってこれもともと本を読みたいがためにこの店に来てるわけだから。アイスコーヒーを片手に本を読む…(ここまでは普通だ)…からの梅酒!という急展開。なんというアクロバティックかつドラマティックな展開だろうか。とりあえず生(ビール)の人には悪いが、思考停止をしていては日常にドラマは生まれない。

 

さあ、店員さんが梅酒を持ってきました、ここですかさずツマミを注文する。ジョナサンのつまみは全品250円である。エクセレント。なにを頼むかはもう決まってる。肉味噌と豆腐のオーブン焼き。この注文を通す。少々お待ちください、と言って店員は去った。この肉味噌と豆腐のオーブン焼き、予想される味の旨さもさることながら、家でつくるとなると面倒くさいことも注文を後押しする要素となった。家で簡単に作れる料理は家で酒を飲む時につくればいいのだ。せっかくファミレスに来たのなら普段家じゃ食べられない料理にしよう、となる。

 

さて、ようやくきた待望の梅酒であるが、これは梅酒の小瓶とグラスがどんとおかれただけであり、ロックで飲みたいのならドリンクバーから氷を持ってこい、ということのようだった。上等である。下町には常連が我が物顔で店の冷蔵庫から勝手にビール瓶を持ってくる…というハードボイルドな世界があるが、ここジョナサンでも客が店の機械を勝手に使って好きに飲んでくれたまえ…というハードボイルドな世界が広がっていた。俺はグラスに氷をたくさん入れ、そして梅酒を注いだ。並々注いでもボトル1/3分の梅酒が残った。つまり二杯分の梅酒である。安い。もちろんその安さは店がやるべきことの大半を客である俺が肩代わりしてるからに他ならない。そういうのが面倒くさいと感じるネンネは普通の居酒屋に行けばいいのであって、根っからのハードボイルド固ゆで野郎である俺にとっては造作もない。

 

俺は梅酒を飲みながら椎名誠の「新宿遊牧民」を読む。これはどういう小説かというと、いや小説という体をとっているのだがエッセイぽいというか、要は椎名誠の自叙伝な訳であるが、まあとにかくビール、ビール、隙あらばビール、という感じで、夜な夜な居酒屋で酒を飲む男たちが思いつきで旅に出たり思い付きでふざけたことをしながらなんか気がついてみたら社会的に成功しちゃいました、という話であり、というかまだ途中までしか読んでないから今後これがどういう結末を迎えるのかしらないけども、まあとにかくそういう話である。そしてファミレスで酒を飲みながらこれを読むことにより、なんだか俺も椎名さんと同じ居酒屋にいて椎名さんの馬鹿話をふんふん言いながら聞いてるような、そんな幸せな気分になってくる。酒は偉大だ。

 

梅酒の一杯目を飲み終えたところで、肉味噌と豆腐のオーブン焼きが届いた。上々のタイミングである。ここで次のオーダーを通してもいいが、ドリンクバーがあることにより飲み物が途切れることのない安心感があったので、じっくり腰をすえることにした。肉味噌と豆腐のオーブン焼きは、表面にかかってるチーズがうまい具合に溶けており最高であった。梅酒を飲む、肉味噌食べる、新宿遊牧民、梅酒を飲む、肉味噌食べる、新宿遊牧民…という美しいサイクルで飲み進み食べ進み読み進んだ。

 

そうこうしてるうちに梅酒と肉味噌が同時になくなった。全て計画的に事が進んでいる。次の一手を打たねばならない。注文はもう決まっている。生ビール(499円)と、鶏のから揚げ(250円)である。そう、もともと生ビールが飲みたかったのだ。生ビールが飲みたくてファミレスに来たのになぜこんな面倒くさい経路をたどるのか…ということは既報の通りなのでここでは触れないが、ただ一つ言えるのは、面倒くさい縛りがあった方が往々にして人生が豊かになる、ということだ。

 

さて、新規オーダーを通し、空いた皿と梅酒のグラスが片づけられ、目の前のテーブルには最初に持ってきてもらったお冷と、そしてドリンクバーのグラスが残っていた。ドリンクバーのグラスには、溶けて残った半分ほどの氷がある。ここでアイスコーヒーのお代わりとなる。が、ここで待ってほしい。よく考えて欲しい。この場合、一番エレガントなアイスコーヒーのお代わりはどのようにすればいいだろうか。

 

結論から言えば、半分の氷にあわせてアイスコーヒーをグラスに半分注ぐ、である。これだと無駄がない。二杯目のコーヒーを飲み切った頃には氷も全てなくなっている算段である。歴史が好きな人は良く知っている有名なエピソードであるが、戦国時代、関東で一大勢力を築いた北条氏の四代目、北条氏政の汁かけ飯の話である。氏政がごはんに汁をかけ食べていたら汁が足りなくなったのでもう一度汁をかけた。それを見た父である三代目の氏康が嘆く。ああ、ご飯をみただけで必要な汁すら計れないようでは、戦国の世を生き抜ける器量ではない、北条の世もこれまでか…、と。汁かけを二度しただけでここまで言われるのはひどいと思うかもしれないが、ご存知のように結果として北条氏政小田原征伐により降伏し切腹しているのだからこれは氏康の慧眼というしかなく、だからここで俺が言いたいのは、二杯目のアイスコーヒーをお代わりするのに氷を足すような奴は戦国の世を生き抜けない…ということだ。

 

無論ここは戦国の世じゃない現代なので二杯目のアイスコーヒーに氷を足しても生きていける。しかし半分の氷に合わせて半分のアイスコーヒーを注ぎ氷を残すことなく使い切る、というのは極めて合理的かつエレガントな解法である、ということに疑問を挟む余地はない。世が世なら俺も北条の四代目として関東に覇を唱えていたかもしれない…などとアイスコーヒー一杯でここまで妄想が進むのである。酒は偉大だ。

 

話をもどすと、生ビールはテーブルにすぐ来た。アイスコーヒーを飲みほしたまさにベストタイミングで。ようやく待望の生ビールである。グラスはキンキンに冷え、泡も良い感じにクリーミーであった。一口飲む。美味い。二口飲む。美味い。やばいこれ永遠に飲んでられる…。新宿遊牧民にちょうど書いてあったのだが、当時は生ビールが無く、そして生ビールが誕生したての頃は、店によってサーバーの管理がずさんだったりしたので、生ビールの味もまちまちであった…とのことである。今はどこに行っても美味い生ビールが飲めるので、これは現代ってやっぱ最高だな、戦国時代の関東の覇権なんていらんわ、だって生ビール飲めないし、となる。

 

から揚げが来たのは生ビールを半分ほど飲みほしたところであった。ついに来た…という感じである。なにが来たかと言えばからあげが来たのではない。戦争が来たのである。皿にのってるのは、から揚げ4つ、フライドポテト4つ、そしてレモンである。ほら、ほらほらほら。これはもうね、面倒くさい人がね、主張しますよ。食べ方について。レモンについて。レモンの処遇について。君たちの言いたいことはだいたい分かってる。でもね、これは一人飯なんだから、俺が食べたいように食べます。いいですか。これは一つのエレガントな解法として最後まで聞いてください。いきますよ。

 

まずジョナサンのテーブルに置いてある調味料を確認する。ケチャップ、塩、タバスコ、パルメザンチーズ、醤油。それにレモン。ここから最適なから揚げの食べ方を模索する。本当は俺は胡椒をかけてから揚げを食べたかった。しかし胡椒はないので、とは言えここで店員さんに胡椒を頼むような野暮は絶対にしたくないので、現有勢力だけでたどり着ける最高にエレガントな解法を模索すると、必然的にタバスコとなる。タバスコは唐辛子と酢だ。ドレッシングの構成要素を思い出して欲しい。油と、塩分と、胡椒(辛味)と、酢(酸味)…。つまり、もともとから揚げにかかってる塩および油、そこに辛味と酸味を加えれば必然的に調和することは理論上明らかである。俺はから揚げにタバスコをかけて食べるのは初めてであるが、食べる前から美味いことは当初から約束されていたのである。

 

レモンを残すつもりか、という向きもあるだろう。話は最後まで聞いて欲しい。レモンは、一番最初にもらったお冷にかけてレモン水にするのである。なんという無駄のない、調和のとれた世界であろうか…。自分で言うのもなんだが、これぞ北条四代目にふさわしい采配であると言えまいか。このレモン水を最後に飲みほしてお会計、が一番エレガントな解法である。とはいえ、まだこのまま終わらせる気はない。なぜなら、生ビールのお代わりは100円引き(399円)になるからだ。これはもう二杯飲めということだから、空気の読めてしまう俺は二杯行ってしまうのである。

 

ここで艦これで培った俺の完璧な資源コントロールをみてほしい。から揚げ4個、フライドポテト4個の現有戦力を二分する采配をとるが、今手元にあるのはジョッキ半分の生ビールであるので、これにあたらせるから揚げは1個、フライドポテトは1個とし、残りの3個ずつをもって生ビールおかわりに当たらせる…というのが完璧な資源配分というものである。

 

古参アピールで恐縮だが、俺は呉鎮守府の提督勢である。ちなみにプレイして半年目ぐらいに強硬策を取らせた霧島が被弾し沈没してしまったので、それがトラウマになり以降全く艦これをやってない。クソ采配じゃねーか、どこが北条四代目だ、という批判は甘受する、しかしどんな名将でも無敗はあり得ない訳で、俺の、あえて俺の、と言わせていただくが、俺の霧島が死んでしまった教訓は、いま、ここで、このジョナサンにおいて、いかんなく発揮されているのである…。

 

生ビールの二杯目が来た。そしてから揚げの3個目と4個目にはパルメザンチーズをかけて食べた。新宿遊牧民は100ページほど読み進めた。俺はレモン水を飲みほした。すべてが調和をたもち、物事は極めてエレガントに終了した。

 

「 I'm a perfect human . 」

 

サングラスをかけたあっちゃんが首をかくっと横に倒す姿が俺の脳裏に浮かんだ。会計は税込み2049円だった。

花見日記

srdk.rakuten.jp

楽天のオウンドメディア「それどこ」で記事をかかせていただきました(正確にはまだ3歳になってないけど…)。もし良かったらご一読ください!

 

 

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町会のお花見に行ってきた。とてもいい天気で気持ちのよい一日だった。昼に公園につくとすでに有志たちが桜の真下に場所をとってあり、シートが敷かれテーブルも用意されオードブルも酒もすべてが完璧に整っていた。こんなに至れりつくせりの花見に参加するの初めてかもしれない。楽しかった。娘は同い年のお友達とあそんだり、近所のおじさんたちに可愛がってもらったりして楽しんでいるようだった。

 

町会付き合い面倒くさい、という人もいるかもしれないが、自分は大好きである。理由ははっきりしている。土地柄、お祭りと酒を飲むのが大好きな人たちばかりで、町会の集まりといっても毎回酒をのんでぐだぐだやるだけで、その酒代は町会費から出ていて、そして俺がこの世で最も好きな酒は他人の金で飲むタダ酒だからである。

 

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じつはべろんべろんに酔っぱらってしまい記憶があまりないんだけども、デジカメの中にある(酔った俺が撮ったらしき)娘の写真がちょう良くて、すげえ上手い…誰がこれ撮ったの…ていうか俺の娘ちょうかわいいのでは…ってなった。

 

 

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寿司ネタ以外の美味しい炙りネタを探してみた

アウトドアグッズというのは被災した場合の防災グッズにもなるので、「俺は万一の時に家族を守るために防災用品を買っているのだ…」という体で己の趣味のアイテムを買う口実にするには最適である。今回はガスバーナーを買った。新富士バーナーのフィールドチャッカーST450。これ使ってみたけどたいへん便利で、万人にお勧めできるアイテムである。

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まず、これがあれば一瞬で火がつく。薪だろうが炭だろうが関係ないのである。着火剤なんていらない。これがあれば一瞬でカタがつく。火力を調節できるので弱めればタバコだって火がつけらる。

 

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やろうと思えば湯だって沸かせる。アウトドアで調理のために使うガスバーナーといえば専用のねじ込み式ガスカートリッジを使う場合が多く、メーカーによって微妙に接続部分が違うのである。趣味のアウトドアでやる分にはいいかもしれないが、防災という観点で言えば汎用品のカセットコンロ用ガスボンベを使えた方が絶対いいに決まってる。

以上のことなどから有事の際のために一家に一台ST450を買ってもいいのではないだろうか。値段はだいたい3000円である。

 

 

……さて、ここからが本題である。せっかくガスバーナーを買ったのでいろいろ試して遊ぶことにした。ガスバーナーと言えばお寿司の「炙り」である。

 

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さっそくスーパーで買ったパック寿司をバーナーで炙って食べてみることにした。

 

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 うめえ!!いや、びっくりした。全部美味しかった。炙ることにより魚の香りが強く感じられとても美味しい。イクラを炙ると残念な見た目になったのでさすがにこれは失敗かとも思ったが、食べてみたら予想に反し美味かった。自分で軽く炙っただけなのにこんなに美味しくなるなんて…。かつて見ていた料理の鉄人道場六三郎が残り時間ギリギリで最後に料理をバーナーで炙って仕上げる姿が印象的だが、実際に軽く炙っただけで美味しくなったので自分も六三郎になった気分である。

 

で、寿司を炙って食すというのはすでに一般的なので、寿司以外に炙って美味しい食材はないかといろいろ試してみた。これは自分の勘なのだが、アルコール分をとばす「フランベ」を炙りに置き換えてみたら、脂っこい食べ物の油分をバーナーで炙ることによりとばすと美味しくなるのではないか…

 

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スーパーで買ったアナゴの天ぷら。炙ってみたけど特に美味しくならなかった。あれ?炙りが足りなかったのだろうか。

 

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スーパーで買った春巻きとシューマイである。シューマイはほとんど味が変わらなかったけど、春巻きは劇的に美味しくなった!なんというか、揚げたてのパリパリ感がバーナーで炙ったことにより蘇った感じがする。写真で見てもらうと分かるのだが、バーナーで炙ると衣に染みた油が浮きだしもう一度揚げたような感じになるのである。春巻きの炙りはマジで美味い。これ食べたら普通の春巻きは食べられない…。

 

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 コンビニで買ったメンチカツ。春巻きが劇的に美味しくなったのでこれもいけるかと思ったが、残念ながら炙ってもあまり変わらなかった。天ぷらと同じで、衣が厚すぎると効果が薄いのかもしれない…。

 

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ポテトチップス。油分が多く、炙るとたしかに余分な油がとび香ばしくなるのだが、すでに商品として売られてる状態で十分パリパリ感と香ばしさがあるので、炙ってしまうと過剰な香ばしさになってしまった。普通のポテチと炙ったポテチがあったら、間違いなく普通のポテチを食べるであろう。しかし、しけってしまったポテチを炙ってみたらパリパリ感が蘇り美味しくなるかもしれない…。

 

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6Pチーズ。グラタンも焦げ目がついたところが美味しいのでこれは鉄板で美味いだろう!!とやってみたが炙っても全く味が変わんないので逆にびっくりした。やっぱとろけるチーズじゃないとだめなんだな…。プロセスチーズを炙っても全く美味しくならない。学習した。

 

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笹かまチーズ。これは炙ると香ばしくてとてもおいしかった。

 

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せんべい。これは焼きおにぎりからの連想で、コメに醤油を塗って炙れば美味しいのだからせんべいなんて炙れば美味しくなるに違いない、という推論である。結果としてはポテチと同様、炙っても美味しいがすでに商品として売られているせんべいがベストバランスな状態なので余計に炙る必要はない、強いて言えばしけったせんべいを炙ると美味しくなるかもしれないね、という感じだった。

 

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スーパーで買ったポテトサラダ。炙ってみても全く味が変わらなかった。ガスの無駄だった。

 

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モンブラン。キャラメルプリンを最後に炙って焼き色をつける、というところから連想して、甘いものを炙ったら意外とイケるのでは…となったのだが、結果としては味は全く変わらず、ただただヌルいケーキになってしまった。

 

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コンビニで買った餃子と焼き鳥。これは両者ともバーナーで炙ると劇的に美味しくなった。余分な油がとんで香ばしくなっており、まるで焼き立ての餃子と焼き鳥になったかのようだった。

 

以上の結果をまとめてみた。

 

〇劇的に美味しくなる

・スーパーのパック寿司

・スーパーの春巻き

・笹かまチーズ

・コンビニの餃子

・コンビニの焼き鳥

 

△条件によっては美味しくなる

・ポテトチップス

・せんべい

 

×味が変わらない、もしくは不味くなる。ガスの無駄

・スーパーのあなご天

・コンビニのメンチカツ

・プロセスチーズ

・ポテトサラダ

モンブラン

 

以上である。ガスバーナー炙り界にはまだまだ広大なブルーオーシャンが広がっているので、皆もガスバーナーを買っていろいろ試してみよう。三千円で気分は六三郎、破格のお値打ち品である。

2歳11カ月

 

娘が3歳になる前に愛宕神社の出世の階段を一緒に登りたいな、と思っていて、天気も良かったので休みの日に娘と二人で行ってきた。

 

愛宕神社の鎮座する愛宕山は東京23区で最高峰を誇る山だ。といっても標高はたったの26mなのだけれど、山の周りはほとんど海抜0mに近く、愛宕神社の位置する高さは周囲のマンションの8階ぐらいに相当するので、まあ結構な高さである。娘は階段を登るのが好きだ。江戸東京博物館に行った時も、展示物には目もくれず娘はひたすら階段を昇り降りして楽しんでいた。娘が好きなことをやらせたいな、という親心もあり、今回のチャレンジに至った次第である。

 

 

 するすると登っていく娘。本当は正面から撮りたかったのだが、滑落の危険もあるので後ろから見守る。

 

 

 

こっちを振り向いて手を振る余裕すらあった。

 

 

あっけなく登頂してしまった。よく頑張った。社務所で「出世の階段の最年少登頂記録なんてものはありますか?」と尋ねたところ、巫女さんは困ったように「ちょっとそういうのは無いんですが」と答えた。ネットで検索してもそれらしきものが無かったので本当にないのだろう。なので、うちの娘の2歳10か月を現時点での最年少記録と言っても差し支えあるまい。言ったもん勝ちである。

 

 

札幌に住む母方の祖母が亡くなった。97歳だった。もうここ何年かずっと体調が悪く、いつ死んでもおかしくない状態だったので心の準備はすでにできていた。葬儀は家族葬で、俺は父と母と3人で札幌に行った。葬儀は滞りなく終わり、久しぶりに会う札幌の親族たちとは思い出話で盛り上がった。父が懐かしむように話す。

 

「ヒロキがまだ小さい頃、妻と喧嘩して『出てけ!』って言ったんだよ。そしたら本当に子どもを連れて妻が家を出て行ってさあ、思い当たるところに手当たり次第電話をかけたんだけど全く見つからなくて、これはいよいよ実家に帰ってしまったんじゃないかと思って、最後に札幌に電話したんだよ。妻がそちらに行ってるんじゃないかって。そしたら電話に出たお義母さんは立派だったねえ、ピシャッとこう言われたよ、『娘が家を出ていくようなひどいことを、あなた娘にしたんですか?』って。俺、何も言い返せなくてさあ…」

 

この話を父から聞くのは何度目だろう。初めて聞いたのは、俺が奥さんと結婚する直前のことだった。ヒロキというのは俺のことだけど、まさかあれが夫婦喧嘩の末の家出だとはその時まで全く知らなかったのだからそれを聞いた時は衝撃だった。確かに自分の中にその記憶はある。それは俺が5歳か6歳ぐらいの頃、母に連れられて妹と3人で横浜に行き、そのままホテルに一泊したというものである。しかしそれは自分の中で美しい思い出として記憶している。なぜなら夫婦喧嘩うんぬんの記憶はすっぽりと抜け落ち、母が買ってくれたいちご1パックをホテルの部屋で3人で分け合って食べたという美しい記憶しか残っていなかったからである。ちなみに当時の母は札幌から横浜に越してから数年しか経っておらず、行くあてが無かった母が唯一知ってるホテル、つまり結婚式をあげた横浜のホテルに泊まったとのことだった。

 

「その後でわたし、母さんに怒られたの。『あんた、なんで札幌に帰らなかったの!次に何かあったらいつでも帰っていらっしゃい!』って…」

 

「…そういうことがあったもんだから、それ以降、妻に『出てけ』って言うのをやめたんだ。そのかわりに、こう言うことにしたんだ。『この部屋から出てけ!』って」

 

こういう場になると必ず話す、父の鉄板エピソードである。この話を俺の結婚直前にしたのは理由があって、「だからヒロキ、お前も奥さんに絶対に『出てけ!』なんて言うなよ」と最後に締めくくったのであった。

 

これを久しぶりに聞いて思い出したのが自分たちの夫婦喧嘩の末の家出エピソードである。結婚前に念押しされていたので、自分たちの夫婦喧嘩の時に出て行ったのは俺の方だった。「もうこんな家、出て行ってやる!!」と大声で宣言し、着替えや荷物をスーツケースに詰めながら、早く止めてくれよ、そっちが先に謝るのなら俺だって謝る準備は出来てるんだから…と内心思っていたが、声をかけてもらう気配すら無かったので、いよいよ家を飛び出すしかなく、「もう帰ってこないから!!」と捨てセリフを吐いて家を飛び出したのだった。ちなみになぜそこまでの喧嘩になったのかの原因は覚えていない。本当にくだらない理由だったのだろう。

 

ただ覚えているのは、娘が生れて数か月目の夏の夜だったということだ。当時は俺も奥さんも本当にしんどかった。娘が夜になかなか寝てくれなかったからだ。生まれた当初は母乳と粉ミルクを半々ずつ飲んでいたのだが、次第に娘が粉ミルクを拒否するようになってしまい、粉ミルクを飲まなくなると娘を他人に預けることも出来ず、夜は数時間おきに娘が泣いて起きるのでろくに眠れず、乳首を毎回噛まれ、重い娘を抱きかかえて寝かしつけてるうちに腰をやられ、そんな生活を連日つづけてるうちに奥さんは完全に疲弊しきってしまった。俺は俺で日中会社であくせく働き夜は子育てを手伝い、大好きな酒を断っている奥さんの前で酒は飲めないと自分も酒を断ち、会社でも家でもストレスをためとうとう鬱になってしまった。俺も奥さんも全く余裕がなかったのだ。

 

家を飛び出したものの行くあてもなく、蔵前のホテルに行ってみたが満室ですと断られ、俺は一人夜の隅田川沿いのベンチでたたずんでいた。今にして思えば、どこかにパーッと飲みに行って気分転換すりゃいいじゃんと思うのだが、病んでいた当時はその発想にいたらず、ひたすら死にたいと思っていた。自分なんてこのまま野垂れ死にすればいいんだ、このままベンチで寝て朝になって凍死体になって発見されればいいんだ、と…。しかし夏だったので夜はちょうどいいぐらいの気温でありまったく凍死するような気配もなく、そもそも隅田川のベンチはホームレス対策でベンチに人が寝れないような間仕切りがしてあり、ベンチで寝れないのならと植え込みで横になったのだがどうにも寝心地が悪く、死に場所をもとめ隅田川沿いをウロウロしているうちに朝になり、疲れていたしおなかも空いたので家に帰って奥さんに謝った、というエピソードだ。

 

いや、今思い返したって自分の行動が全く理解できないのだが、それ程までに自分は病んでおり、奥さんも疲弊しきっており、とどのつまり、あなたを育てるのはそれ程までに大変なことだったんだから…という話を、自分もいつか娘に(笑い話として)話すときが来るのかもしれない。どんなタイミングで切り出すか思案してみたのだが、やはり娘の結婚前がいちばんいいな…とぼんやり思った。