子供のいる夫婦にとって、買物とは政治である。2年前に娘が生まれてからというもの、すべての行動に娘ファーストを強いられるようになった。そんな状況下において、己の趣味にかける予算を確保するには当然のように説明責任が生じる。俺は写真を撮るのが好きで娘が生まれる前はカメラとレンズにお金をぶっこんできたが、もはやこの状況で新しい機材を増やすのは事実上不可能である。あっという間に成長する娘にあわせて必要な物を購入する事の重要性に比べたら、例えばEF50mmF1.2と50mmF1.8のボケ味の違いなんてクソどうでもいい話であり、レンズなんて買う金があったら他に買うべきものがあるだろう、となるわけである。正論である。これを論破するにはどうすればいいか。俺の見立てでは不可能に近い。使い切れないほどの収入を得ている人なら話は別だが、少なくとも俺の収入は有限である。奥さんにも無理をお願いしている手前、自分の趣味に大枚はたくなんてことできるわけない。ならばどうするか。発想を変える必要がある。予算が得やすいものを趣味にすればいいのだ。どう考えても奥さんの理解を得られにくい趣味にお金をかけるのはやめ、奥さんの理解を得られやすい、すなわち予算を獲得しやすいものを趣味にすればいいのである。
それは何か。アウトドアである。これは間違いない。万人にお勧めできる。なぜなら、何もない野外で生活を営むための全てのアウトドアグッズは、防災グッズにもなり得るからだ。己の趣味のために買ってるのではない、一家三人が災害にあったときに我が身を守るために防災グッズを買ってるのだ、という大義名分が成り立つのである。というわけで俺は奥さんを説き伏せ、念願のモンベルBioLiteキャンプストーブを買うことにした。
BioLite(バイオライト) キャンプストーブ ( POTアダプター ) 1824222
これはどこでも手軽に焚火ができるのみならず、焚火の熱源を利用して発電しファンを回すことにより燃焼効率が格段に上がる、おまけにその発電でUSB充電まで出来てしまうという画期的な代物である。発売当初からずっと欲しかったのだ。これがあれば、万一真冬に被災し電気ガスが止まるという状況下においてもスマホの充電が可能となり、刻一刻と変化する防災情報を効率的に収集することが可能になるのだ。決して己の私利私欲で買うのではない!「これがあればソロキャンプで焚火したり焼肉食べながらツイッターし放題ですぞデュフフ」などという俗な発想など一切ない!断じてない!あるわけないじゃないですか。俺はただ…みんなの命を守りたいだけなんだ…
ここで問題になるのが付属品である。実際にこのストーブを使って調理をするには当然フライパンなり金網なりを使用する必要があるのだが、モンベルはまたしても画期的な付属品を生み出してしまうのである。
BioLite専用グリル。これで肉や魚を焼けば、落ちた油がストーブに集まり、それもまた焚火の火力として再利用できるのである。なんとよく考えられてあることか。欲しい。欲しいが8,900円もする。これただの鉄板と網ですよね?それで8,900円…足元みやがって限られた燃料を効率的に使える画期的な商品だと考えれば悪い投資ではない。思い切って買うことにした。
さて、そうとなればやらなければならないことがある。予行練習である。災害はいつ起きるとも限らない…明日にでも首都直下地震が起きたってなんら不思議ではないのだ。一刻も早くBioLiteストーブの充電機能を試す必要がある。そもそも素人が火を起こすのは大抵時間がかかるものなので、この時間を短縮するためにも焚火の練習をする必要があるのだ。繰り返すがこれは訓練である。決して「オニューのストーブでBBQだぜグヘヘ」などと思ってる訳では!断じて!ない!…すみません、言いすぎました。ちょっとは思ってます。でも、これこそが趣味と実益を兼ねるというものであり、サバイバルスキルを磨いといて損はない。むしろ積極的に磨いていくべきである。
というわけで俺は2歳5か月の娘と一緒にBBQをすることにした。娘を連れてくのは(1)俺は娘と接する機会が土日ぐらいしかないのでここぞとばかりに娘と遊びたい(2)奥さんは平日は娘とつきっきりなのでたまには一人の時間がほしい(3)娘は電車が大好きなのでいつも電車のお出かけを要求してる、という3人の利害が一致したものである。
目指す先は三崎口の三戸浜海岸にした。都内のBBQ場に行けばいいじゃない、と思うかもしれないが、大概の都内BBQ場は予約が必要である。そして土日は予約でびっちりである。予約確保するには数か月前の予約開始日に予約しないとほぼ取れないのだ。大人数で日程決めてBBQやるならそれでも良いかもしれないが、思い立った時にふらっとソロBBQをするのは不可能だ。日ごろの束縛された生活から解放されたくて野外に行くのに、なぜ予約で日時も場所も縛られなくてはならないのだろうか?せめて野外でぐらい自由にいさせてほしい。ならば予約不要でBBQ可能な場所を自分で探すしかない。
三崎口の三戸浜海岸は予約不要かつ電車で行くことが出来る数少ないBBQ可能な場所の一つである。この「電車で行くことができる」というのも結構な重要ポイントである。つまり端的に言えばBBQで運転の心配などせず酒が飲めるということだ。酒が飲めないソロBBQなんて楽しくもなんともない。潮風を浴び、沈みゆく夕日と焚火を見ながらウィスキーをあおる。最高の贅沢ではないか。
ただし、電車移動でソロBBQをこなすにもそれなりに頭を悩ませる必要である。バックパックに積める荷物に限界があるからだ。極限まで荷物を減らす必要がある。現地に洗い場はない。全てのゴミは持ち帰る必要がある。俺はそれほど体力がある方ではない。以上のことから、現地調達できるものは現地で調達し、容器類などは紙製にし焼却処分できるようにするなどの工夫が必要だ。準備の段階からBBQは始まっている。いろいろ考えた末、最終的にはこの装備にした
(2)BioLiteグリル
(3)コッヘル…これもモンベル製。中にもう一つコッヘルが入ってる。煮炊きできるし皿にもなる
(4)紙皿…不要かもしれないがコッヘルで調理してるとき皿が無くなると嫌なので。最後に燃やしてしまえば洗い物不要である
(5)手斧…燃やす燃料(木の枝・流木など)は現地調達で荷物を減らす。上級者っぽいしBioLiteストーブの醍醐味だ
(6)鋸…手斧だけで十分かとも思ったが太い流木を薪にするにはこれも必要かと持っていくことに
(7)燃料…現地調達できなかった場合を考え最低限度の燃料を持っていくことにした。割りばしやカマボコ板、木の棒など。普段の生活で出たごみである
(8)着火剤…極力使いたくないが、万一火がつかなくて企画が台無しになったら嫌なので
(9)うちわ、ライター…火を起こすときのマストアイテム。うちわはいざとなったら燃やせる竹製のものにした
(10)割りばし…一人BBQにトングなぞ不要。火おこしから食事まで全てこれ一本で対応できる。当然終わったら焼却処分するため紙袋入りのもの
(11)虫よけスプレー…子どもは気づくと虫刺されされるので必須
(12)折り畳みイス…なくてもいいかもしれないが、海辺でまったり火を起こすにはあったほうがいいと思ったので
(13)娘の着替え、おむつ、母子手帳…娘と出かけるときの必須アイテム。
(14)エコバック…中にビニール袋やタオルなどが入ってる
(15)調理用バナナ…最近見たNHKスペシャルの「最後のイゾラド」においてイゾラド(アマゾンの秘境にすむ現代文明から隔絶された先住民族)が焼いたバナナを食べていて俺も一度食べてみたかったから。近所のハナマサで一房150円
…「最低限度」と言ってる割にはいろいろな事態を想定しけっこうな荷物になってしまった。当然のように不要な装備もあるだろう。実際に何が不要だったかは本稿の最後で答え合わせをしたい。ちなみに調理用バナナ以外の食材はすべて現地調達するつもりである。せっかく三崎に行くのだから旬の食材を現地で調達したほうが絶対おいしいし楽しいはずだ。
パッキングを終えた後で酒を入れ忘れたことに気付いたが、もう一度開けて写真を撮りなおす気力がなかったので別撮りで勘弁してほしい。ビンはブラックニッカクリア(180mlがコンビニで300円くらいで売ってる。良心的)、中身は全く別のウィスキーである。ブラックニッカクリアのビンはスキットルとして使え、いざとなったら旅先でリサイクルゴミとして捨てれるのが良い。ウィスキー党アウトドアラーのマストアイテムだと断言できる。サントリー角も同じサイズでコンビニ売りしてるがこちらは500円以上する。200円の差というとたいしたことないように感じるが、率で言うと1.7倍である。高い。たぶんあの亀甲紋の瓶代がかなりかかるのではないだろうか。捨てる前提だとスキットルとして角を買うのはもったいない。ブラックニッカクリアおすすめである。
電車でおでかけするのが大好きな娘。「赤い電車のるよォー」とテンションMAX。
三崎口駅までは最寄りの駅から電車で一本である。三崎口。それは京急ユーザーにとっての約束の地、毎日通勤電車に揺られながら「このまま逆方向の電車に乗って全てのことから逃げ出したい…」と皆が妄想するであろう京急の終着地である。駅の改札を抜けると土産物売り場がある。食材は現地調達なので昼飯には何がよいのか物色する。
ハマグリ1,000円。おいしそう。砂だし済みなのがありがたい。そのまま網焼きで食べるだけで最高の奴だ。それと三崎のマグロ。
網焼きにするつもりでぶつ切り500円を選んだら店のおばちゃんに「網焼きにするなら脂ののったマグロのほほ肉の方が絶対いいよ!」と言われたので土地の人のお薦めに従いほほ肉にした。800円。
メインの食材は決まったが、どちらも娘が食べたことのない食材だったので、娘が食べないときのことも考え三崎口のコンビニで食パンを買った。キャンプストーブでトーストすれば間違いなく美味しくなる。あとマグロの味付け用に携帯用醤油。ふたつで300円ちょっと。完璧である。
三崎口駅から三戸浜海岸までは1.7km。歩いて20分くらいの距離である。娘を肩車しながら、広大な三浦大根畑の中に通る道を歩いていく。のどかだ。遠くの空でとんびが飛んでる。「大根いっぱいだね」「だいこん、いっぱい、あるよォ」「とんびが飛んでるね」「とんび、とんでるよォ」俺は歩きながら道路に落ちてる木の枝をみつけたらすかさず拾う。持参した木材だけじゃ当然足りない。美味しいほほ肉ステーキを焼くためにもここで必死にどれだけ木材をかき集められるかが生命線になってくる。木材が足りなくてほほ肉ステーキ焼けませんでしたとかやめてくれよマジで…。
結果として海岸につくまでに集まった木の枝はこの通りとなった。想定以上であった。家から木材を持っていく必要全くなかった。おまけに砂浜にも大量の葦や木の枝が打ち上げられており、道すがらかき集める必要すらなかった。砂浜についたらその辺に落ちている枝を拾うだけで事足りるのだった。これはしかし行ってみないと分からないことではあるのだが…。この記事を読んで三戸浜海岸でBioLiteストーブ使うつもりであれば、燃料持参の必要性は全くないと断言できる。次行くときは燃料持たずに行こう…次行くか分からないけど…。
椅子をくみたてて娘のくつろぎスペースを確保。さて、ここからが本番である。BioLiteキャンプストーブに割りばしや木の枝を何本か入れる。ライターで点火する。割りばしなんか簡単に火がつくかと思ったが、海風のせいでライターの火がすぐ消える。仕方ない。着火剤だ。実はここに来るまでの電車の中で初めてBioLiteキャンプストーブの取り扱い説明書を読んだのだが、「着火剤は使用しないでください」と思いっきり書いてあった。完全に失敗した。事前に読んでくればよかった。俺、人生のネタバレは必要ないと思ってる派だから…手探りで経験値上げるのが楽しい派だからさ…。まあ過ぎてしまったことは仕方ない。むしろこのような不測の事態こそ俺のアドリブ力が鍛えられる。よくよく考えればストーブの炉内で着火剤を使わなければ問題ないはずだ。
炉外で割りばしを着火剤で燃やしある程度火が安定したら炉内に放り込む作戦でいくことにする。俺はストーブから割りばし1本を取り出し先端にジェル状の着火剤を塗りライターで火にかけた。ジリジリと音を立てながら割りばしが燃え出した。これでいい。完全にわりばしが延焼したのを見計らってストーブ内に投下する。火は他の割りばしや木の枝に燃え広がった。計算通りだ。が、そこはしょせん割りばしと木の枝。あっというまに燃え尽きてしまうのである。木材を追加投入するもうまく燃え広がらずに種火が消えようとしていた。ここまでか…。諦めかけたそのときである。フィィィィィィィィィン!!突如としてけたたましく鳴り響くファンの音。急に火柱が立ちあっというまに全ての木材が燃え上がった。
うおおおお!なんだこりゃ。そうか、最初の種火でファンが回るだけの電力が充電されこのタイミングでファンが回ったのか…。まさに救世主登場のようなすごいタイミングだった。ファンが回り出してからのBioLiteキャンプストーブの威力は圧巻である。くべる木材すべて一瞬で火がつき次の瞬間には火柱がたつ。あははははは。思わず笑っちゃうぐらい楽しい。もうこの時点で9割方満足しちゃってる。なんか自分の焚火の技術が上がったかのような錯覚を覚える。いい。すごくいい。BioLiteキャンプストーブ、オススメです。BBQ経験者なら誰でも分かるだろうが、最初に火を起こすのがすごく大変なのである。平時ですら大変なのだから、もし被災した立場で冷静に火なんて起こせるだろうか?着火剤がたくさんあればいいが、もしなければ…。そんな場合でも、焚火技術が低くても簡単に火がおこせるBioLiteキャンプストーブ。最初は発電機能目当てで購入したが、ここまで簡単に火が起こせるだけで防災用品として十分購入に値する。
火が安定したのでグリルを設置することにする。傾斜地の砂浜なので微妙に角度がついてしまう。まあいい。まずはホイルで巻いた調理用バナナを投下する。そしてハマグリ。ファンのおかげで木の枝はあっという間に燃え尽きてしまう。けっこうせわしなく燃料を火にくべる。ちゃんとした薪ならもうちょっと時間が持つのになあ、と思わなくもない。が、本日は実戦形式の訓練。仕方ない。
パッカーン。さっそくハマグリが開いた。貝の中で塩水がふつふつとゆだってる。うまそー。いただきます。うめえ。最高。ウィスキーをあおる。あはははは。最高。最高だこれ。やばい。やばいぞ。苦労してここまで来た甲斐があった。
俺はこの感動を娘にも味わってほしくてハマグリを与えた。「…にが」吐き出してしまった。苦いらしい。改めて食べてみたら、確かに海水のミネラル分のせいか微妙な苦みがあるかも。水で洗って無塩バターで焼けば食べたかもしれない。まあこの展開は想定の範囲内である。そんなときのための焼きバナナである。娘はバナナ大好きである。きっと娘もこのバナナを食べれば満足してくれるはず…あれ。剥けない。なんだこれ。調理用バナナ、見てくれは普通のバナナと一緒だが中身は完全な別物だった。嫌な予感がする。刃物を持ってこなかったので、ハマグリの殻をナイフがわりにしてようやく皮を剥いた。おお。ほっくりしててうまそうじゃないか。味見で一口。
…マズッ。なんだこれ。マズすぎる。火が通ってないのか、芯がある。マズい。外側は生のサツマイモっぽい触感。とにかくマズい。全てにおいて食える代物ではない。え?こんなにほっこりして焼き芋っぽさたっぷりなのになんでこんなにマズいの?まだ焼きが足りないってこと?俺は慌ててホイルをまき直し火にくべた。こんなことなら事前に調理用バナナの調理法を調べてくればよかった。俺のアドリブ体質が完全に裏目った格好である。俺はとんでもないものに手を出してしまった気がする…!
ここまで娘が食べれるようなまともな料理をひとつもつくってない俺。すいませんすいませんすいません。こんな時のために買った究極の安全パイであるところの食パンをトースト。さすがにこれは娘も満足し「おいし」を連発した。よかった。そうだろうそうだろう。娘よ、自分の起こした火でつくった料理を野外で食べるのはとんでもなく美味しいのだ。それが例え駅前のコンビニで買った食パンであってもだ。
ここで本日のメインディッシュであるところのマグロのほほ肉を投入。本当は一緒に食パンをトーストしサンドにして食べる算段であったが、バナナがいまだに捌けないのでパンをトーストするスペースがない。完全に想定外である。
ステーキが焼きあがるまで、娘と波打ち際で遊んだ。波を追いかけっこしたり、浜辺で宝探しをしたり。俺はこの季節の海岸が好きだ。海水浴客はいない。静かな海。
焼きあがったほほ肉ステーキは絶品であった。まるで牛のフィレステーキのようである。が、娘は食べてくれない。こんな時のために、最初からずっと焼き続けたバナナ。今度こそ…美味しくなっていてくれ…!
…マズい。絶望的にマズい。なんだこれ。これだけ外側の皮が炭化してるのに中身まだ芯が残ってて固くて美味しくないとかあるの?? 俺が根本的に間違ってるの?イゾラドよりも明らかに文明の利器を使用してるのに食える代物じゃないってマジなの???
結局俺だけ美味しいものばかり食べ、娘に食べさせたのは食パン2枚である。なんだか申し訳ない気がしてきたので早々に引き払うことにした。はやく家に帰って母ちゃんの美味しい料理を食べようね。力不足でごめんよ。次回はお父ちゃんも美味しい料理つくれるように頑張るからね。
「海、楽しかった?」「たのしかた」「何が楽しかった?」「えっとねー、とりさん、とんでた」「あれはトンビって言うんだよ」「とんび、とんでたネー」
BioLiteグリルは蓋がついていて洗わなくても蓋すればバックパックに収められるので秀逸であった。キャンプストーブも同様に収納袋に収めるだけでよい。炉内はほぼ完全燃焼状態で炭すらほぼ残らない。残るのは灰だけである。これならBBQ場以外でも容易に使えるなと思った。
今回は残念ながらBioLiteキャンプストーブの充電機能を試す機会がなかったが、あの燃焼力を目の当たりにしただけで十分だった。一家に一台Bioliteストーブを備えておくべきだと思った。マジでなんでも燃える。災害への備えとしてはそれだけで十分。電気とガスが止まった状態を想定したら、BioLiteキャンプストーブはとても心強い。俺は着火剤を使用したが、普通に本や新聞紙やチラシがあれば素人でも火を起こせる代物だ。あとはおまけの機能としてスマホが充電できる。完璧じゃないか。皆もキャンプストーブ買って、訓練で必殺一人BBQやろうぜ!
さてここからは反省会である。持って行った荷物で不要だと思ったのは以下の通りである。
(2)BioLiteグリル…思っていたよりも不便だった。火力が強いのはストーブ円周部だけ。外側はほとんどグリルとしての用を成してなかった。これなら普通の網焼きグリルをストーブの真上に乗せるだけでよいのでは。今回焼いたのがほとんど脂が出る食材じゃなかったせいもあるかもしれないが、まあとにかく不便だった。この記事を読んでBioLiteキャンプストーブの購入を検討してる人に言いたい。グリルは必須ではない。とりあえずキャンプストーブを買ってグリルも欲しいなと思ったら買い足す感じで良いと思う。少なくとも俺は買う必要なかったと思ってる。
(5)手斧
(6)鋸…手斧や鋸が必要な木材なんてその辺に落ちていないのである。木の枝は手で簡単に折れる。完全に不要
(9)うちわ…BioLiteストーブにうちわは不要だった。種火があれば勝手に風をおこしてくれる
(12)折り畳みイス…傾斜地の砂浜でイスにすわるとずぶずぶ沈み姿勢が安定しない、イスに座ってても微妙な体勢になるので全くくつろげないのである。常に緊張を強いられるので座ってても逆になんか疲れる。完全に裏目である。これなら砂浜に直に座り、替えのズボンを持ってきた方がはるかに賢い選択であった。クルマだったらいいかもしれないが、少なくともソロBBQで限られた荷物のリソースを割いてまで持っていく代物ではなかった
(15)調理用バナナ…というか未知の食材を持っていく際は必ず調理法を調べてからいくべき。俺からは以上です。
最後に余談だが、俺はBBQして帰る際は必ず自分たちのゴミ以外のゴミも目につくものは拾っていくようにしている。ゴミをそのまま捨てて帰るマナー悪い客のせいでBBQ可能な場所が禁止になるのを防ぐためでもある。俺は野口健さんのエベレストでの清掃活動をリスペクトしており、俺も自分でできる範囲内で可能な限りのゴミを拾うようにしてるのだ。正直めんどくさいが、これもアウトドア上級者の定め…と謎の上から目線を導入することにより継続的なボランティア清掃の実施が可能となる。皆さんもぜひ上級者ぶりをいかんなく発揮し、謎の上から目線で美化清掃やりましょう。