続きです。今回はしょうが酒を使います。
昨年新生姜の時期に漬けたしょうが酒を用います。いきなり果実酒じゃなくて恐縮です。この場合、薬酒あるいは本草酒といいます。
本草酒、という言葉は聞きなれないかもしれません。これは俺の果実酒づくりのバイブルである薬種果実酒全科で清水先生が提唱してる概念です。
本書で、はじめて『本草酒』(ほんぞうしゅ)という言葉を使った。それは、果実酒という従来の呼び名では、草根木皮、またマムシやハブといった動物を駆使して作り出す浸漬酒の総称としてなんともそぐわないからである。
そこで、自然界を一つの言葉でとらえた博物学の原点、中国伝来の本草学にヒントを得て、著者の与えた名称がこの「本草酒」である。つまり、本草酒とは、今までばらばらに呼ばれていた果実酒、薬酒、葉酒、根酒、花酒、マムシ酒、ハブ酒のすべてを包含する名称といえる。
google検索すると本草酒という名称はあまり定着しなかったようですが、俺はこの本をかなりリスペクトしてるので用語はこの本に倣います。
この本の初版は昭和57年、作者の清水先生は植物の研究者です。かつて酒税法が果実酒すら自宅でつくれなかったという禁酒法のような時代を経て現代に本草酒の知識を継承したのが本書であり、果実酒の解禁を本書では「文化の革命」と称するほど喜びに満ち溢れております。
話がそれました。しょうが酒の話です。
この時期のしょうが酒はお湯割りで飲むと美味しいですが、カクテルにしても美味しいです。すぐにおもいつくのはジンジャービアよろしくホッピーで割ることですね。もともと焼酎で漬けてますのでホッピーで割るのも道理と言えます。
しょうが酒とホッピーを1:3。これをジンジャーホッピーと命名します。
もうちょい凝ったカクテルを作りたい向きには、ミントリキュールの代わりにしょうが酒を使うといいのではないでしょうか。エメラルドクーラーのレシピを参考に、ミントリキュールをしょうが酒で代用します。一般的なレシピだとジン30mlミントリキュール15mlレモンジュース15mlですが、ここではジン30mlしょうが酒30ml生レモン半個を用いました。お好みでシロップをちょっと垂らしてください。
最後にソーダをビルドして完成、さっぱりして美味しいです。脂っこい料理にあいそうですね。ジンジャークーラーと命名します。
このしょうが酒、料理酒で使ってもよいのでマジで万能です。新生姜の時期に漬けると香り高くておすすめです。
このシリーズ、不定期で続く。