七五三

先日、蔵前の鳥越神社で七五三のお参りをやりました。

 

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ネットで事前に情報を調べたのですが全くと言っていいほど無かったので今後鳥越神社で七五三をやりたい、という方に向けて書いておきますと、初穂料は5000円以上であとはお気持ちで…とのこと。ちなみにお宮参りの時も同じでした。ご参考までに。

 

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その後、スタジオに移って写真撮影。別日に前撮りする方も多いかと思いますが、自分の場合は着物をネットで二泊三日のレンタルしたので完全に俺の都合で一日で済ませました。

 

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くるくる表情が変わる娘。わが子ながらかわいくないですか?(親バカ)

 

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普段の娘は俺が写真を撮ると「みせてみせてー!」とプレビュー画面を見たがるぐらい写真を撮られるのが好きなのですが、今回はさすがに普段と雰囲気が違うので表情がかたくなりがちでした。しかしこの日撮影をお願いした @rekosuke さんが抜群のコミュニケーション力とその腕前で最高の写真を撮ってくれました、本当にありがとうございました!

 

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おまけ。鳥越神社でもらった記念品。童謡のCD、色鉛筆、ふせん、風船、御守など。

 

俺と茨城

ぐるなびみんなのごはん」というサイトに2件の記事を寄稿しました、未読の方はよろしかったらぜひ。

 

 

r.gnavi.co.jp

 

せっかくなので茨城のことについて書こうと思います。

 

そもそも俺、わら納豆が大好きなんですね。茨城の高速道路を利用するたびにSAでわら納豆を買ってます。

 

 

https://www.instagram.com/p/Wu-xxAj5lN/

見かけたら必ず買ってしまう程度には藁納豆が好き。 #breakfast

 

 

https://www.instagram.com/p/sGNHHoD5mS/

わら納豆大好きなので茨城に行ったときは必ず買うマン。

 

普段わら納豆なんてまったく見かけませんが、茨城の高速のSAにはいろんな種類のわら納豆が山ほど売ってるんですね。最初みたときはびっくりしました。世の中にはこんなにもたくさんの種類のわら納豆があるのかと。で、お土産に買って家で食べたところ、あまりの美味しさに感動しました。わらの香りがする納豆、本当に美味しいんですよ!炭火の焼肉がガスの焼肉よりも美味しいのと同じように、パックの納豆とは別次元でわら納豆は美味しいです。

 

あと茨城といえば水戸の梅酒です。以前水戸芸術館に行った際についでだから他にも観光していこう、と予備知識なしで水戸の別春館(梅酒と酒の資料館)に行ったのですが、納豆の時と同じように「世の中にはこんなにも梅酒の種類があるのか!」と感動しました。都内ではほとんど流通してないような梅酒、茨城に行くとたくさん売ってます。新しい梅酒との出会いを求め茨城に行くのも楽しいです。

 

https://www.instagram.com/p/BVs6G5QgJ-i/

去年美味しかったので今年も安いいも焼酎で梅酒漬けた。今年はこれでおしまい

 

梅酒は毎年家で漬けてますけど、やっぱ水戸の高級梅酒のような味わいを自宅でだすの難しいな、と常々思います。甘い酒は苦手で、ウィスキーが好きな割にバーボンは苦手なほどなんですが、こと梅酒に限ってはどろっどろの甘いのが好きです。梅の酸味があるからでしょうね。

 

こういう独自の文化があるところが、やはり歴史ある街なんだな、と思います。なんせ水戸徳川35万石ですからね。自分は横浜郊外の新興住宅街で育ってるので、ことさらそういう歴史に憧れがあるのかもしれません。

 

といった具合で自分は茨城のことが好きなのですが、世間では茨城の評価は本当に低く、茨城に住んでいる人ですら卑下するぐらいなので、これはもっと茨城の魅力を世に伝える必要があるのではないか…と思いました。地元の方よりもよそ者である自分の方が茨城の良さに気付くことが多いのかもしれません。

 

幸いにもこうしてぐるなびみんなのごはんという場で定期的に寄稿する機会をいただいたので、微力ではありますがこれからも茨城の魅力を伝えていこうと思ってる次第です。

3歳6か月

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最近、気遣いができるようになった。例えば娘が一人で果物を食べていたら「おとうちゃんもたべなよォー」と分けてくれたりとか。あと俺が至らないところがあればちゃんと指摘してくるようになった。家でコーヒーを飲んでいたら「ちゃんとコースターしきなよォ」と怒られるし、お風呂入るのがめんどくさくてゴロゴロしてたら「おふろはいんなよォー」と怒られる、という具合である。娘の方が俺よりよほどしっかりしてるのではあるまいか…

 

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娘とは毎晩ゲームで遊んでいる。最近、トランプの”ぶたのしっぽ”ができるようになった。大人はちょっと一拍おいてから取る、っていうハンデつけると娘とほぼ互角に戦える。麻雀でチーするときに一拍おく(ポン優先だから)、ぐらいの微妙な間合いである。一拍置いた上で真剣に取りに行くので娘ともかなり白熱した戦いになる。

 

ゲームといえばマックのハッピーセットである。最近の娘はマッククルー人生ゲームにドはまりしてる。お札(スマイル)をやりとりするのが楽しいらしく、「わー、おかね、いーっぱいだよお!」って屈託なく喜ぶのでかわいい。ルーレット次第のゲームなので小さい子でも大人とも互角に戦えるのがいいのかもしれない。

 

あとUNOもハマっている。まだワイルドカードやドロツーなどの概念を理解してないので手札オープンでやっているが、それでも負けると悔しがり「もういっかい!もういっかい!」とせがんでくる。寝る前に最後の1回でやったつもりが5回ぐらいやってしまうはめになる。

 

毎晩毎晩、娘とカードゲームで遊んでいる。修学旅行の夜みたい。楽しい。いつまでもこの楽しい時間が続くといいな。

神奈川の郷土料理、「けんちん汁」について

地方都市が好きだ。地方のスーパーに行って「へええ、こんな食材が売ってるのか!」って一人で盛り上がるのも好きだし、地方の繁華街でその土地の人々に混じって一人で酒をしみじみ飲むのも好きである。

 

自分は横浜市郊外の二俣川にある新興住宅地で生まれ育ち、現在は結婚して東京に住んでいる。自分にとっての故郷といえばその二俣川になるわけだけど、あまり故郷という感じではない。父は東京蒲田の出身で母は札幌の出身、結婚して二俣川に移り住んだということなので、故郷の料理というものも食べたことがない。だから地方に憧れみたいなものがあるのかもしれない。

 

先日ふと「そういえば、神奈川の郷土料理ってなんだろう」と思い立ち、調べてることにした。

 

聞き書 神奈川の食事 日本の食生活全集(14)

 

大正の終わりから昭和にかけての食生活を都道府県ごとにまとめた本である。この本の中ではさらに横浜・鎌倉・川崎近郊・三浦半島相模原台地相模川流域・足柄山間・小田原・津久井山村、と地域の食事が非常に細かく細分化されており読みごたえがある。

 

当時の横浜の食生活は、卵と海苔が高級品で滅多に買えない、ということを除けばびっくりするぐらい今とほぼ変わらない。朝食は白飯に味噌汁、こうこ(漬物)、納豆。昼はパンにコーヒー。夜は野菜料理や魚料理、肉料理が中心である。大みそかは日本酒と年越しそばを食べ、花見には卵やハムのサンドイッチを持っていく。晩酌にはセロリスティックやきゅうりスティックなどの生野菜とチーズをつまみに、ビールや舶来のウィスキーをちびちびやる、といった具合である。本当に今と変わらない、豊かな食生活である。

 

それと比較すると実家のある相模原台地*1の食生活は大変に貧しいものである。

 

忘れてはならないのは燃料の確保である。相模原台地の雑木林のならやくぎは良質な炭になるが、自家で炭を焼く家でさえ、ほとんどを売りに出し、炭を使うのは「お蚕さま」のためだけ。お蚕がよく育つように、蚕室を暖めるのに使うため、大事にとっておく。

 

よほどのお大尽でもない限り、ふだんの食事は麦飯、おつけ(味噌汁)、こうこ(漬物)ていどで、野菜の煮ものでもつけば上等、目刺しでもつけば特上といったところ。 

 

読んでるだけでせつなくなってくる…。そんな貧しい相模原台地の住人も、正月三が日は「ごちそう」を食べる。それは白米と、けんちん汁であったそうだ。

 

けんちん汁。これは鎌倉の食生活の項目でも登場する。鎌倉にある建長寺――臨済宗の本山であり、鎌倉を代表する寺である――での祝い事や行事があったときの昼食にいただくのがけんちん汁である、とある。つまりごちそうなのだ。

 

建長寺では、けんちん汁を「建長汁」と書き、建長寺といえば建長汁といわれるほど有名である。この料理はご開山大覚禅師以来、伝統的な汁もので、700年の味である。 

 

うおー全く知らなかった。建長寺と言えばけんちん汁。700年の味。神奈川の各地で祝い事で食べられている。これこそ神奈川を代表する郷土料理と言ってもいいのではないだろうか?

 

汁の実はすべて乱切りである。もとは残菜を生かした料理だったからで、その名残である。季節の野菜をごま油でいためるが、一度に放り込むのではなく、固いものから順に炒めてゆく。それぞれの実が煮あがったあとに、豆腐をもみつぶして入れる。

 

これにはいわれがあって、大覚禅師がご在世のころ、ある日門前に住む何某が、一丁の豆腐を禅師に寄進した。しかし、禅師が一人で食すことは仏祖に申し訳が無いと、膝下の修行僧ともどもいただくために典座にお下げ渡された。当時700人からの修行僧がいて、どうすればいきわたるか思案のあげく、汁にもみつぶして入れた。これが建長汁のはじまりである。仏教では食平等を重んずるが、この豆腐がまさに、その象徴である。 

 

このいわれもなかなか素晴らしいものである。この本に書かれている建長寺のけんちん汁の特徴を要約すると以下の通りである。

 

-残り物の根菜や季節の野菜などありあわせのものを使う

-ダシは使わない

-ごま油で炒める

-豆腐はもみつぶす

-炒めながら醤油で下味をつけ、水を入れてゆでるときに醤油で本格的に味付けをする

 

もちろん寺の料理なので肉も入れない。豚汁などとは基本的に思想がちがうのである。

 

これを読んで俺も建長寺スタイルのけんちん汁をつくりたくなった。参考にしたのはキッコーマンのレシピである。それを建長寺スタイルでアレンジすることにする。このレシピではたくさんの食材を使用しているが、そもそもの原点を考えれば豆腐さえあればあとの根菜類は適当でいいはずなので、スーパーで適当にゴボウ・にんじん・こんにゃく・油揚げを購入した。

 

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レシピを見るとこんにゃくは下茹でし油揚げは熱湯をかけ油抜きをするとなっているが、建長寺スタイルでは水や燃料を無駄にすることは御法度なのでそのような贅沢な工程は省略する。出汁を使わず、ごま油で炒め、風味を出す。

 

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原作厨的な態度を徹底するなら豆腐は原形をとどめないほど潰す必要があるが、いちおう「豆腐入ってます」アピールをするべくちょっと原形を残すことにした。

 

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完成である。

 

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これが神奈川の郷土料理・けんちん汁である。

 

さっそく夕飯に東京出身の奥さんに食べてもらった。

 

「…豆腐、潰れすぎじゃない?」第一声それかよ!むしろこれでも潰すの抑えてるんだって!「味がなんかぼやっとしてる。ダシは入れたの?」だから!精進料理だからダシは使わないの!「…このコンニャク、下茹でしてないよね?」そういう水を無駄にすることはしないの!っていうか、これはこういうものなの!建長寺スタイルなの!神奈川の郷土料理なの!!

 

なんかことごとく俺のこだわりポイントを否定されて笑った。それ建長寺の宿坊でも同じこと言えるの???

 

後日、同じ食材を使って奥さんがけんちん汁をつくってくれた。私のつくるけんちん汁の方が美味しいでしょう、ふふん、といった感じである。確かに美味しいけど!確かに美味しいけど!でも、そういうことじゃないんだよ!

 

そういうことじゃない、ということを伝えたくて今回この記事をしたためた次第である。

 

そういうことじゃないんですよ。これはこういうものなんですよ。伝わっているだろうか。

 

話は変わるけど今回参照した「日本の食生活全集」、本当に面白かったのでこつこつと全巻あつめたいなと思った次第。次は東京のやつを買いたい。

 

今週のお題「得意料理」

違う、そうじゃない

*1:二俣川は正確に言えば多摩丘陵に位置するのだけど、この本の分類でいえば相模原台地の食生活に相当すると考えるのが適切であると思う。実際に実家近くは開発される前は桑畑であり養蚕が盛んだったと小学生時代に習ったので、相模原台地の食生活における記述とも合致する

家飲みウィスキー党の極北こと自家製ブレンデッドウィスキーはブレンド工程がすごい楽しいので皆も一度やってみて!

このブログで何度か言及してますが、俺はウィスキー大好きで、大のニッカ党であります。

 

その愛が溢れすぎてしまい、今回は自宅でオリジナルのブレンデッドウィスキーをつくってしまいました。何を言ってるか分からないと思うので、順を追って説明します。

 

”ニッカブレンダーズバー”という店があるのはご存知でしょうか。南青山のニッカ本社ビルのB1Fにあるバーです。俺は念願かなって昨年この店に行ってきました。そこで感動したのが、ニッカのブレンダーさん特製の、”ブレンダーズバーでしか飲めない”ブレンデッドウィスキーがたくさんあることなんですよね。

 

皆さんご存知かとは思いますが、何年も樽熟成を要するウィスキーは樽ごとに味や香りに偏りが出てしまい、均一につくることはできません。そこで、”ブレンダー”という人が様々な個性的な味のウィスキーをブレンドし一定の味に仕立ててるわけですね。この作業では違う蒸留所のものを混ぜたり熟成年数が異なるものを混ぜたりもします。逆に言えば、ニッカのウィスキーの味を決定づけるのはブレンダーさんであり、それだけ重要なポジションの人であるということになります。

 

山﨑蒸留所で聞いた話ですが、サントリーのあるブレンダーさんは昼飯を毎日同じ店の天ぷらうどんしか食べないそうです。違うものを食べてしまうと味覚が微妙に狂ってしまうから、とのことでした。人間がひとつの味を決定づけるって、それだけ繊細な作業なんですね…。

 

そんな”ニッカの味を決定づける”ブレンダーさんが”特別に”仕立ててくれたブレンデッドウィスキーを”世界で唯一”飲める店が南青山のニッカブレンダーズバーということになります。ブレンダーズバーのヤバさが伝わっておりますでしょうか。

 

このニッカブレンダーズバーのヤバいメニュー見てください。

 

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担当ブレンダーおよびブレンドのレシピを公開してます。こんなのが10種類以上もあります。そして味や香りの表現として綴られる記述…もはや貧乏舌の俺には理解の範疇をこえてポエムにしか見れません。そう、これは詩です。暗いバーの片隅で、美味いウィスキーを味わいながら、神の舌の持ち主たちの詩を楽しむ…これ最高に贅沢じゃないですか?

 

ここでキーモルトとして使われている「余市sherry&sweet」とか「余市peaty&salty」って何なの?って思うかもしれません。これはニッカの余市蒸留所や宮城峡蒸留所でしか売ってない限定酒です。マジで蒸留所以外では売ってません。ぐぐると酒屋が通販で売ってたりしてますが蒸留所で6000円くらいで手に入るものがとんでもないプレミアついており、試しに今調べたら余市sherry&sweetが500mlで19,524円の値がついてます。狂ってます。なので欲しい方は蒸留所に行って買ってください。これらを買うためのだけに余市や宮城峡へ行く価値があるといっても過言ではありません。

 

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ちなみに限定のキーモルトだけの飲み比べもできます。これ新千歳空港のバーで飲むとワンショット1600円ですが、ブレンダーズバーの飲み比べだと6杯4000円です。破格です。もうこれだけのためにブレンダーズバー行ってもいい…といいたいとこですが、これらは余市や宮城峡に行けば飲めますが、ニッカの名だたるブレンダーたちが限定キーモルトを使って特別につくったブレンデッドウィスキーを飲めるのは(くどいようですが)世界でここだけですんで、やっぱりブレンデッドウィスキーを楽しんでください。

 

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ブレンダー一人一人のプロフィールもメニューに載ってます。これメニューですよね?この居並ぶレジェンド感…

 

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メニューの1ページを使用してでかでかと書かれる竹鶴リリック。最高。

 

といった具合でニッカブレンダーズバーはオンリーワンの体験ができる店ですので皆さまぜひ一度訪れてください。

 

…ここでこの記事を終えてもいいのですが、本日の本題はここからです。

 

つまり、俺もブレンドがしたい、と。俺もブレンダーズバーのような世界で一つだけのブレンデッドウィスキーをつくりたい、と。

 

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というわけで、プレミアつきまくってる限定酒たちを惜しげもなく使ってブレンドし、俺の俺による俺のためのウィスキーをつくります。この背徳感、やばいですね。人間である俺ごときが神の舌の持ち主ことブレンダーの真似事をする…これが創世記ならば確実に神々の怒りをかい雷に打たれているところです。これ以上の贅沢はあるのでしょうか。いやない(反語

 

ブレンダーズバーのメニューを見てるとまず最初に皆さんテーマを決めているようなので、俺も最初にテーマを決めます。

 

テーマは、「調和」です。

 

個人的にはアイラモルトのような極端な香りのウィスキーが好きなのですが、今回はブレンデッドウィスキーをつくるということなので、ピーキーな限定酒たちを”俺のレシピで”調和させ、万人が飲んで美味しいと思えるようなベストバランスを目指します。

 

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という趣旨なので、メインで使うのはシングルカスクにします。シングルカスクとは、樽から出しただけで何もブレンドしてない状態のウィスキー、ということになります。アルコール度数57度。ヤバいですね。荒っぽく、ピーキーです。この暴れ馬を、俺のブレンドで調和させていきます。とりあえずダブルの2杯分、120mlを注ぎました。

 

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シングルカスクはかなり強烈なウィスキーなので、中和させるために甘いwoody & vanillic を20ml使います。甘いといってもこれも度数55°もありますけども。

 

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さて、ここから味を調えていきます。ブレンダーさんたちのレシピをざっとみますと、カフェグレーンウィスキーをだいたい30%~50%ぐらい使ってるようなので、俺もその基本を押さえていきます。宮城峡蒸留所ご自慢のシングルカフェグレーン12年woody & mellowを100ml。

 

ちなみにカフェとは以前も説明しましたがニッカの宮城峡蒸留所がほこるカフェ式蒸留器のことです。

 

 

www.mizuhebi.com

 

 

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最後に隠し味としてpeaty & saltyを10mlほど混ぜました。

 

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ここで一旦味見で5mlほどいただきます。

 

…強い!そもそも無調整のシングルカスクは度数が高い強烈なウィスキーなので、この程度ではその強烈さを調和させることはできませんでした。無論俺はこの味も好きですが、これが万人受けする味かというと…。

 

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比較の対象としてフロムザバレル51度のストレートと飲み比べてみます。こっちは同じような樽出しのシングルカスクをブレンダーさんがブレンドした上でもう一度熟成させてる代物で、つまりブレンダーさんと俺との直接対決となります。

 

…このフロムザバレルが笑っちゃうほど美味しくて参った。同じようなピーキー過ぎる原酒を使っても見事な調和ぶりで、さすがプロは違うわという感じ。

 

いや、でもこれアルコール度数が違うので、加水したら俺のブレンデッドウィスキーもまろやかな味になるのでは…

 

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加水したらフロムザバレルはさらに美味しくなりましたが、俺のブレンデッドウィスキー、刺激物なのかな?っていうぐらいの荒々しさ。加水してこれだよ?なにか根本的に俺は間違っているのでは…

 

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ちょっと収拾がつかなくなってきたので俺のブレンデッドウィスキーはいったん空き瓶に移します。これを1号原酒と名付けます。

 

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その1号原酒を120ml使用するところからスタートします。ボールはまだ生きている。

 

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まろやかさが足りない、ということでwoody & vanillicとカフェグレーン12年をそれぞれ30ml足しました。

 

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今度はどうか?

 

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やばい…俺のブレンデッドウィスキー、完全にフロムザバレルの領域なんですけど…。手探り2回目のブレンドでこの領域に行ってしまってもいいの?っていう…

 

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ほぼトワイスアップまで加水しました。やばい。断言してもいいけど、100人にブラインドでフロムザバレルと飲み比べさせたら半分ぐらいの人が俺のブレンデッドウィスキーのが美味いって言うわ。

 

なんていうんでしょう。やっぱほのかに薫るバニラの匂いって高級感あるっていうか、とってもリッチな味に感じるんですね。ぶち猫さんがスナックやる暁にはブラインドで竹鶴と飲み比べさせて俺のブレンデッドウィスキーのが美味しいと言わせますのでよろしくお願いします。

 

最後にレシピを公開しましょう。

 

1号原酒はシングルカスク48%カフェグレーン40%、woody & vanillic 8%、peaty & salty 4%で、その1号原酒を66%使用して17%ずつwoody & vanillicとカフェグレーンを足してますので、最終的なレシピは以下の通りです。

 

カフェグレーン12年 43%

シングルカスク 32%

woody & vanillic 22%

peaty & salty 3%

 

まあこんなの再現性ないのでレシピ公開したってしょうがないかもしれませんが、何が言いたいのかというと、自宅でオリジナルブレンデッドウィスキーを作るのはとても楽しいということです。

 

みなさまもぜひニッカの蒸留所で限定ウィスキー買いまくって自家製ブレンデッドウィスキーをお楽しみください!